“思慮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しりょ34.9%
しりよ23.3%
かんがへ11.6%
おもわく7.0%
かんがえ7.0%
かんが4.7%
こゝろ4.7%
おもいはか2.3%
ふんべつ2.3%
コンシアンス2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柳吉はいささかどもりで、物をいうとき上を向いてちょっと口をもぐもぐさせる、その恰好かっこうがかねがね蝶子には思慮しりょあり気に見えていた。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
をしむに足らずと雖も我思慮しりよなく青侍士あをざむらひ共に欺かれしなどと人口にかゝらんこと殘念ざんねんなり併し今更くゆるもえきなし兎に角愼み罷在公儀かみの御沙汰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
健は、いつもの様に亭乎すらりとした体を少し反身そりみに、確乎しつかりした歩調あしどりで歩いて、行き合ふ児女等こどもらの会釈に微笑みながらも、始終思慮かんがへ深い眼付をして
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
(間)だが俺の心はどうだ、(破裂せる如き調子)俺の心はまるで謀反人むほんにんの心のように、絶えず苦しみ、気を遣い、他人の思慮おもわくを憚り、そして常時しじゅう疑っている。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれどもそこは小児こども思慮かんがえも足らなければ意地も弱いので、食物を用意しなかったため絶頂までの半分も行かぬうちに腹はって来る気はえて来る
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
で、かれももう思慮かんがえることの無益むえきなのをさとり、すっかり失望しつぼうと、恐怖きょうふとのふちしずんでしまったのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
而して最初の者の爲す事をばこれに續く者皆傚ひて爲し、かの者止まれば、聲なく思慮こゝろなくその何故なるをも知らで、これがあたりに押合ふ如く 八二—八四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
思兼神というのは、天照大御神あまてらすおおみかみが岩戸へ隠れたとき、岩戸開きの総計画をお考えになった神様で、「数人の思慮おもいはかを一つの心に兼もてる意なり」
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
金まうけと、座長の角面はさつそくに思慮ふんべつした。誘拐いざなふにらない。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
またもやあれこれとさんざん考えたすえ、けっきょく黒のフロックにしようというところへ思慮コンシアンスを落ちつけた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)