思慮おもわく)” の例文
(間)だが俺の心はどうだ、(破裂せる如き調子)俺の心はまるで謀反人むほんにんの心のように、絶えず苦しみ、気を遣い、他人の思慮おもわくを憚り、そして常時しじゅう疑っている。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いや、かれの申し立てはまずこうなんですけれど、まだそのほかにも何か思慮おもわくがあったらしく、かれはその以来、ダルトンのありかをひそかに探していたんです。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『文鎮の長さはどれ位でしょう』下村さんがあたしの思慮おもわくなどお構いなしに聞いたわ。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)