“確乎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっこ34.3%
しつかり16.4%
しっかり15.0%
しっか7.9%
しか6.4%
しつか6.4%
たしか3.6%
かくこ3.6%
ちやん1.4%
はつきり1.4%
きつぱり0.7%
しかと0.7%
ぎゅっ0.7%
くつきり0.7%
ちゃん0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その信仰や極めて確乎かっこたるものにてありしなり。海野は熱し詰めてこぶしを握りつ。容易たやすくはものも得いはで唯、唯、かれにらまへ詰めぬ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
健はいつもの樣に亭乎すらりとした體を少し反身そりみに、確乎しつかりした歩調で歩いて、行き合ふ兒女こども等の會釋に微笑みながらも、始終思慮深い目附をして
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ああ、妾が必然きっと連れて来て見せるから、温順おとなしくして待っておいで。え、それでもいやかえ。ねえ、お葉さん、確乎しっかり返事をおよ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
悄然しょうぜんとして項垂うなだれていた小野さんは、この時居ずまいをただした。顔を上げて宗近君を真向まむきに見る。ひとみは例になく確乎しっかと坐っていた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あとは今夜のの刻(午後十時)に、その御報告を池田勝入様のお耳へ確乎しかとお達しするという役目だけが一ツ残ってるんで……。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みつつにつてたおしな卯平うへいしたうて確乎しつかうちめたのはそれからもないことである。へびはなし何時いつにか消滅せうめつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其處そこンところはあの、確乎たしかだらうと思ひますですが……今日もあの、手紙の中に十圓だけ入れて寄越して呉れましたから……。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかし仮にも一度さう思ひ込んだ以上は、何かそれをくつがへすだけの確乎かくことした反証を握り得ないまでは心の平静を見ることは出来さうもなかつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
かくすな! 何有なあに、解つてるよ、確乎ちやんと解つてるよ。高が君等の行動が解らん樣では、これで君、札幌は狹くつても新聞記者の招牌かんばんは出されないからね。』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それなら、さうと確乎はつきり断言するがいゝ、男らしくもない。さうして、そんな悪るい教師なら、早く免職さしたらよからう。教頭なんて文学士の癖に意気地のないもんだ。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其れを知らぬ程の良人をつとでは無いが、持前もちまへ負嫌まけぎらひな気象と妻をいたはる心とから斯う確乎きつぱりした事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
男一ぴき見込みこんで御頼みと有ことなれば何のいなとは申まじ而々さて/\其敵そのかたきいふは何者なるやと申せば掃部はまだあやぶみイヤ其事なりさきの相手によつては御差合さしあひも御座らうとぞんずるゆゑ確乎しかとした御詞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
早く早くと水と水とが押合う為めか、水面みなもに一種の燐光りんこうただよって物凄い。急に寒くなった。お母さんは乃公を確乎ぎゅっと捉えている。何程無鉄砲でも、此んな処へ飛び込むものか。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
艶然ぱつとした中形單衣、夜目にも透いて見える襟脚の確乎くつきり白きに、烏羽玉色の黒髮を潰し島田に結んだ初初うひうひしさ、濃紫こむらさきの帶を太鼓に結んだ端が二寸許り
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
確乎ちゃんと約束がある女だ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)