“しっかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
確乎47.7%
緊乎9.1%
確固9.1%
慥乎6.8%
確然4.5%
厳重4.5%
聢乎2.3%
剛毅2.3%
悉皆2.3%
毅然2.3%
2.3%
精確2.3%
緊接2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は自分の莫迦らしい妄想を嘲笑わらい、何時の間にか眼の前で両手を確乎しっかり固めて居るので急いで其の拳を解き、ふう……と溜息を洩らしました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
犬は尾をって行こうとしたが、お葉は相変らず緊乎しっかり抱いていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勝気な彼女の反撥心はんぱつしんは、この忘れかねる、人間のさいなみにあって、弥更いやさらに、世をるにはまけだましい確固しっかりと持たなければならないと思いしめたであろうと——
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
慥乎しっかり、鍛てよ、と彼が激励したのは、正直で鈍重なこの一弟子に、はやく一人で飯の喰えるだけの力をつけてやりたいと常々念じていたからであった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さあ、居るとも云い、居ないとも云うが、俺にも確然しっかりとは判らないね。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「マア、厳重しっかり吟味して圧制な……」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
「これは大失策おおしくじりですな。私は精神さえ聢乎しっかり持っていれば神経衰弱なぞは寄りつくものでないと言って威張っていました」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「お前が聢乎しっかりしてくれゝばこの通り覿面てきめんだ。わしも今度は安心して宜かろうと思うが、何うだな? 大丈夫だろうな?」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「どうして、奥さんが大変な剛毅しっかりものだとさ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
壁も天井も床板も悉皆しっかり純白に塗られている。真中に置いてある寝台だけは鉄製の堅固の物であったが、その上に寝ている人間の上には矢張り白布が掛けてある。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは毅然しっかりした女だ。人との応対も巧いし、私がいないでも、ちゃんと仕事の運びのつくように、用を
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お妃は嬉しさのあまり王子をしっかりと抱き締められましたが、やがてその手をゆるめて、手真似でどこかへ逃げるように王子に教えておられるようです。
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
精確しっかりとは存知ませんが、四百フランも御座いましたら、どうかなるでござんしょう」
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
縄を解き、懐中ふところよりくし取りいだして乱れ髪けと渡しながら冷えこおりたる肢体からだを痛ましく、思わず緊接しっかりいだき寄せて、さぞや柱に脊中がと片手にするを、女あきれて兎角とかくことばはなく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
源はもう、仰天して了って、しっかりと手綱を握〆めたまま、騒がしく音のする笹の葉の中を飛んで、馬と諸馳もろがけに馳けて行きました。黄色い羽のちょうは風に吹かれて、木の葉のように前を飛び過ぎる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)