“たしか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タシカ
語句割合
72.6%
21.8%
確実2.4%
確乎1.1%
確實0.4%
確固0.2%
堅実0.2%
0.2%
正確0.2%
的確0.2%
確的0.2%
程慥0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分で正気づいたと、心がたしかになった時だけ、うつつおんな跫音あしおとより、このがたがたにもうたまらず、やにわに寝台ねだいからずるずると落ちた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
亭「へい中身なかごは随分おもちいになりまする、へいお差料さしりょうになされてもおに合いまする、お中身もおしょうたしかにお堅い品でございまして」
確実たしかに、自分には力がある。う丑松は考へるのであつた。しかし其力は内部なかへ/\と閉塞とぢふさがつて了つて、いて出て行く道が解らない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ソリャモウお前さんのこったから、いずれ先に何とか確乎たしか見当みあてが無くッてあんな事をお言いなさりゃアすまいネ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
殺たるはわたくしにて馬士を殺し候は平四郎なりと申故シテ松葉屋へ金を預けんとせしは如何なる故ぞと有に源八其儀そのぎは私し共を確實たしかに見せ置松葉屋の案内あんない大方見定みさだめ候間同家の金銀奪取うばひとらん爲故と金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致し子供同士かま肩先かたさききづを附られ候悴が今にのこり居候が何よりの證據しようこに御座りますと云に越前守樣成程なるほど確固たしかなる證據ありして其彫物ほりものは何なる物ぞ憑司ヘイうでに力と申す字を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引出ひきいだすなり加之そのうへ御邊の居間ゐまの金子紛失ふんじつは伴佐十郎建部郷右衞門の兩人が盜取ぬすみとりしと云事確固たしかなる證據しようこありや是とても其身の惡事をかくさんが爲に跡方もなき空言そらごとを申たて渠等かれら兩人に惡名あくめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし、言葉を交して居るうちに、次第に丑松は斯人このひと堅実たしかな、引締つた、どうやら底の知れないところもある性質を感得かんづくやうに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
学才は有ますし、人物は堅実たしかですし、それに生徒の評判うけは良し、若手の教育者としては得難い人だらうと思ふんです。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
血まみれの中を後でよくたしかめてみるがよい。——なお、不審な事、分らぬ点は、この床下へ、ふんじばって突っ込んである浪人へ問いただすがよい。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、歌出うたいだしの「秋——」という節廻ふしまわしから拍子の間取まどりが、山の手の芸者などには到底聞く事の出来ぬ正確たしか歌沢節うたざわぶしであった。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
なお的確たしかに言うために、正太は幸作から近く来た手紙の模様を叔父に話した。両親が、世間へは内証で、互に消息を通わせていることをも話した。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
手に取るように判切はっきりしているので、彼はすぐその確的たしかさの度合から押して、室の距離を定める事ができた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
筆力は垂死の病人とは思えぬ程慥たしかである。余は此手紙を見るたびに何だか故人に対して済まぬ事をしたような気がする。
雌は鬣円く鱗薄く尾が腹よりもふといといい、画師不服の体を見て、われらすなわち竜だからたしかに見なさいといって、雌雄の竜にって去ったとづ、同書四三七に