“ちゃん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チャン
語句割合
33.7%
整然20.2%
父親6.7%
4.5%
3.4%
親父3.4%
端然3.4%
父爺2.2%
2.2%
父上2.2%
爺々2.2%
1.1%
阿爺1.1%
判然1.1%
爹児1.1%
爺親1.1%
厳然1.1%
土瀝青1.1%
支那1.1%
支那人1.1%
1.1%
的確1.1%
確乎1.1%
端正1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いいともきっと頼まれた」紋十郎はニタリと笑い、「そう決まったら早く帰って今夜はグッスリ寝るがいい。ちゃんが探していたっけよ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
母「直ぐに帰れといっても、お前の来るのを待って居て、お前の坐る所へ整然ちゃんとお膳もおあにいさんのと仰しゃって心配をなすって」
父親ちゃん何故なぜ魚を食べないのだろう、)とおもいながらひざをついて、伸上のびあがって、鋸を手元に引いた。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして——たしかあずかる、決して迂散うさんなものでない——と云つて、ちゃんと、衣兜かくしから名刺を出してくれました。奥様は、面白いね——とおつしやいました。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
亥「待ちねえちゃん、何か全く文治郎さんがおめえの所へ金を持って来てくれたにちげえねえか、爺」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おまえさんは知らないが斯う云うものには贋物にせものが多い、貧乏人の子供が表に泣いていて、親父ちゃんもおかあもいない、腹がへっていけねえと云ってワーッと泣くから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人はテーブルを距てて端然ちゃん向合むきあいに坐って、「お入りなさい」どうも種々いろいろな芸当をする奴等だ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「威張らなくッたって、何も、威張らなくッたって構わないから、父爺ちゃんが魚を食ってくれるといけれど、」と何と思ったか与吉はうつむいてしおれたのである。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あゝ、ちゃんう言つたんだもの。」
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ウム! 宵の口まで、この穴のまわりをうろつき、父上ちゃん父上ちちうえ! と左膳を呼ばわっていたかの少年!」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
子供はい起きて爺々ちゃん菓子の代給えという。十二三文を与うれば、これも外の方へ走りづ。しかしてなお残る銭百文または二百文もあらん。酒の代にやしけん、積みて風雨の日の心あてにや貯うるならん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その女たちの中でも一等さばけるピンちゃんとチョキちゃんという二人がノスタレだかオシッコだかわかりませんが病気になっちゃったんで
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただその時にフイちゃんを振り返って睨み付けたチイちゃんの眼付の怖しかった事ばっかりは今でも骨身にコタえて記憶おぼえております。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今年は豆類其他で千円も収入みいりがあろうと云うことであった。細君の阿爺ちゃん遙々はるばる讃岐さぬきから遊びに来て居る。宮崎君の案内で畑を見る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
土間の入口で、阿爺ちゃんの辰さんがせっせと饂飩粉うどんこねて居る。是非ぜひあがれと云うのを、後刻とふりきって、大根を土間に置いて帰る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「痛いよ。だッて、お前さん。角川の若旦那には判然ちゃんとお嫁さんがきまってると云うじゃアないか。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この娘を二度とここのうちへ入れないと云うのは嘘だ。お前の顔に判然ちゃんと書いてある。ははははは。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
厭に爹児ちゃんか硫黄のように、項に引っ附きゃあがる。
爹児ちゃんや硫黄の棒が交ぜてあったのです。
「もう、爺親ちゃんも帰って来るから、我家うちへ往って待っていな」などと云って、小供をれて往って、カンテラにけて帰った。
車屋の小供 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「お前さんは、夜家へ帰って、爺親ちゃんのいない時に、何か云ってるが、あれは何を云ってるのだね」
車屋の小供 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
身を切るような風吹きてみぞれ降る夜の、まだ宵ながら餅屋ではいつもよりも早くめて、幸衛門は酒一口飲めぬ身の慰藉なぐさみなく堅い男ゆえ炬燵こたつもぐって寝そべるほどの楽もせず火鉢ひばちを控えて厳然ちゃんすわ
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
室一杯に香料の匂がせ返える程満ちていることで、しかも其かおりは他でも無い、曹達そうだ土瀝青ちゃん没薬もつやくとを一緒に混合あわせた香であって、即、それは、数千年の昔古代埃及の人達が
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
戦争の最中に支那ちゃん小児こどもを殺したってあんなさわぎをしやあしまい。たちまち五六人血眼になって武者振つくと、仏敵だ、殺せと言って、固めている消防夫しごとしどもまで鳶口とびぐちを振ってけ着けやがった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうです、と御散歩になりませんか。今夜は寅毘沙とらびしゃですぜ。演芸館で支那人ちゃんの留学生が芝居をってます。どんな事を演る積りですか、行って御覧なすったらどうです。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此の頃は何方様どちらさまへ参りましても洋犬かめが居りまして、其の洋犬かめが御主人の使つかいをいたし、あるいは賊を見て吠える所で見ますれば、他人と主人とはちゃんと自然に其の区別を知って居りますので。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし二、三の古図や明治十二年に地理局で出版した図などを見れば、三繋平附近に的確ちゃんと奥仙丈岳を据えて、国師岳がかえって其東の甲信武三国の境に記載してあることは、前に述べた通りである。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
確乎ちゃんと約束がある女だ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何も知らず横を向いたお孝に、端正ちゃんと手を支いて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下等民も御多聞にれずといってちゃんはなし兎の皮を用いたので、ロンドン界隈かいわいは夥しく兎畜養場が立ったという(サウシ『随得手録コンモンプレース・ブック』一および二)