親父ちゃん)” の例文
「おめえは一つうちにいるんだから、何もかも残らず知っている筈だが、お前のところの親父ちゃんは人から怨まれるような覚えがあるかえ」
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おまえさんは知らないが斯う云うものには贋物にせものが多い、貧乏人の子供が表に泣いていて、親父ちゃんもおかあもいない、腹がへっていけねえと云ってワーッと泣くから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なぜ又、おめえのところの親父ちゃんはそんなおかしなことを出しぬけに云い出したんだ。なにか訳があるだろう」
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おゝ正太郎だ……何うも大きくなりやアがった此畜生こんちきしょう親父ちゃんは殺されたか……えゝなに高岡で、うか、おら九才こゝのつの時別れてしまったから、顔もろくそっぽう覚えやしねえくれえだから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おめえのところの親父ちゃん刺青ほりものをしていたっけね」
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)