“己”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おの30.1%
おれ23.4%
おのれ20.6%
じぶん11.6%
おら4.6%
2.5%
おい1.5%
うぬ1.2%
0.6%
オノ0.6%
0.5%
おいら0.5%
うら0.4%
われ0.2%
おり0.2%
0.2%
をれ0.2%
をのれ0.1%
おつ0.1%
おのず0.1%
おらア0.1%
おる0.1%
つちのと0.1%
ひと0.1%
0.1%
わし0.1%
オノレ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お花はいづれも木綿のそろひの中に、おのひといまはしき紀念かたみの絹物まとふを省みて、身を縮めてうつむけり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
すなわち、郷里及びその環境に於ては、七兵衛は、おのれ自身の所業に後暗い心持を持たないということはなく、周囲もまた彼を冷たい眼で見ている。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おれ夢中むちゆうで、これこひしいをんなだ、とおもつて、うか/\いてかへつたのか、うかもれん。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ええ。それがえらいと云うのです。地獄はみんなが買います。地獄を買っていて、おれは地獄を買っていると自省する態度が、厳粛だと云うのです」
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
足にふむ力なきゆゑおのれがちからにおのれからだ転倒ひきくらかへし、雪の裂隙われめよりはるかの谷底へおちいりけるが
為すべきは必ず為して、おのれてらはず、ひとおとしめず、恭謹にしてしかも気節に乏からざるなど、世に難有ありがたき若者なり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
新一はその文字を読みながら、なんだか知ったような名であると思っているうちに、その文字がじぶんの母の名と同じであると云うことが判って来た。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
謙作はテーブルのはしにやったじぶんの右の手に暖かな手のなまなましく触れたのを感じた。彼はもどかしそうにその手を握ったのであった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おい、おめえの方で惣菜は要らなくっても、おらが方で座敷が要るんだ。何を! 座敷が無え、古風な事を言うな、芸者の霜枯じゃあるめえし。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
作「おらアもう仕様がねえ、貴方あんた実はねわし先刻さっきから見た様な人だと思ってたが、安田一角先生とは気が附かなかったよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きちはふゝんとつて兀頭はげあたまにはしいものだ、御初穗おはつうれでもらうかとへば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
庄「旦那妙なもので、これは本当に真の友達で、銭が無けりゃア貸してろう、らが持合もちあわせが有れば貸そうという中で有りますと」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
れでもおまへ年寄としよりだもの、おいらのふのはよめさんのことさ、年寄としよりはどうでもいとあるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
伊「そりゃおいらの方にゃア願ったり叶ったりだけれどな、し来られた日にゃアそれこそ大変なわけ、一旦手切まで貰って分れたんだから」
あのような惰弱だじゃくな逸楽に時を忘れて、外ならぬうぬが所業で、このやまとの国の尊厳をきずつそこねていることに気がつかぬのじゃ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
「本当にものの分らねえ鈍痴漢とんちきじゃねえか。うぬの気の利かねえことあ考えねえで、女を怨むッて法があるものか」というのが一致した衆評であった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
アブラハム、ヤコブなぞ遊牧族ゆうぼくぞくの老酋長の物語は、十勝の山中に牛馬と住むが境涯に引くらべて、殊に興味が深いのであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おれの教えが悪いによって左様な道楽の者に成ったのだ、此の短冊はが形見で有るから、是を持って何処どこへでもけと云って、流石さすがの父も涙を含んでわしの手に渡した時に
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此は、「オノミコト和魂ニギタマを八咫鏡に取りけて」(国造神賀詞)など言ふ信仰に近づいてゐるのだ。
オノ」の方は「お」類の万葉仮名を使い、「ヲシ」の方は「を」類の万葉仮名を使うという風に、語によってはっきりきまっているということを契沖が見つけたのであります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
が飯はすでにあまるを、が飯に足れりとはせで、なじかさはひとの物る、なじかさはよその物欲る。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
寒鴉が影の上におりたちぬ
不器男句集:02 不器男句集 (新字旧仮名) / 芝不器男(著)
かめ「多助の事と云うと目くじら立って騒ぎやアがる、おいらの子をおいらが勘当するのは当然あたりまえだ、手前てめえの世話にはならないぞ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おいらだ、滝だよ。おい、ちょいと誰だか手を握った奴があるぜ。串戯じょうだんじゃあない、気味が悪いや、そういってお前放さしてくんな。おう、後生大事と握ってやがらあ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だつて、そのくれゐあためへだア。お前さアばか、勝手な真似して、うらとがめられるせきはねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
前様まえさまア丹波屋でまんまアたべて居たが、雨たんと降らねえうち段々人が出て来たが、まだ沢山客がえうちうらと此の鹿はちはすけえに並んで飯たべて居ると
初て死体しがいを見し時の驚きと恐れとは何時いつしか消えて次第に物の理を考うる力もわれかえりしかば余は四辺あたりに在るすべての物に熱心に注意を配り熱心に考え初めぬ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
われと籠を作って籠の中の鳥になって居るのが可笑おかしくもある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いつかおりゃ見た、い夢を。
爺さん慌てなさんな。こうおりゃ巡査じゃねえぜ。え、おい、かわいそうによっぽど面食らったと見える、全体おめえ、気が小さすぎらあ。なんの縛ろうとはやしめえし、あんなにびくびくしねえでものことさ。おらあ片一方で聞いててせえ少癇癪すこかんしゃくさわってこたえられなかったよ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千葉県知事折原らう氏が、以前福岡県知事を勤めてゐた頃、ある宴会で目もとの可愛かあいらしい芸者が側目わきめもふらず、じつと自分の顔に見とれてゐるのに気がついた。
とが張り合っている横合いから丁が差手をする。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
をれは詩によつて名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
長次さんは全く一人で罪を引受けて死んだので、をれが居つたら殺しはせぬのぢやつたと龍馬が残念がつて居りました。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
をのれの珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨かうともせず、又、おのれの珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出來なかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
一方、之は、をのれの詩業に半ば絶望したためでもある。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
よね なんべんも云ふごたるばツてん、お父つつあんの、あぎやんした人でなからんぎりや、おつてちや、国に戻るこつば勧むツとなるばツてん、どうにもかうにも、あツぢや、わざわざ苦労ば重ねぎや行くごたるもんだものね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
賤女しずのめの風はしているが京師けいしの公卿に縁ある者、おのずと備わる品位と美貌びぼうは、恥を含んで一層美しく、右門の眼にも見えるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは皆其の人の徳不徳にあるのだから、何でも構わずそれだけの稼ぎをせっせと遣るがようがんす、金を貯る心を起してはいけねえ、何でも貯めねえよう、うちには寄せ附けねえように働かせ、おらア貧乏だなんという心をよしにしてしまって、唯無茶苦茶に天地へ奉公をして居さえすれば
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よね おるも、今日、浜で、そるば云ふたツた。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
つちのとです。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
どのくらいか臆病おくびょうづらを下げて、きまりの悪いおもいをしたか知れやしねえ、畜生め、ひとが臆病だと思いやあがって
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
保雄は相変らず自分に対する新聞雑誌記者の無責任な悪戯いたづらまないのだなと思つた。茶の間の前桐の箪笥の前に立つた山田は、
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
武「いやそれは心配には及ばん、明日あしたわしが其のお筆さんと云うを町奉行所へ訴え出て帰れるようにして遣る、其の金はわしが遣ったんだ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——彼ヲ知リ、オノレヲ知ルトキハ百度ヒャクタビ戦ッテ百度勝ツ——と古語にあります。曹真はすでに初めから孔明の相手としては不足でした。いま帝みずからご進発あられてもそのたんを補うほどの効果は期し難く、万一、さらにまた敗れんか、魏一国の生命にかかわりましょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)