“己”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おの31.3%
おれ23.3%
おのれ20.7%
じぶん11.3%
おら4.3%
2.2%
おい1.4%
うぬ1.0%
オノ0.6%
0.5%
(他:27)3.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“己”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸100.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語19.1%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ここへ来てからも相当の日数があるのだから、仮りにも現在のおのれのいる土地の名前を記憶しておらぬということはあるまい。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
——「蝮蛇ふくだ手をせば壮士おのが腕を断つ」それを声をたてて云い、彼はふと自分の腕を見まわした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
おれは苦しんでいる。が、誰も己の苦しみを察してくれるものがない。」——そう思う事が、既に彼には一倍の苦痛であった。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
うちの亭主なんかおれの御蔭でもう壱円五十銭くらいもうけていやがる癖に、ろくなものを食わせた事もありゃしねえ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上の御仁慈ごじんじをうけつがぬことはないはず。おのれのために、尊い人間の一命を失わせるようなことはいたしますまい。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この方が多分一つ前の俗信で、つまりはおのれの心に欲せざるところを、人に向かって逆用しようとしたものであるらしいのだ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
お梅はじぶんの家の隣に住んでいる民谷伊右衛門たみやいえもんと云う浪人に思いを寄せて病気になっているところであった。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
丹治も今あんな目にあったからじぶんの顔色が悪いだろうと思ったが、何か飲まないとゆっくりそれを話すことができなかった。
怪人の眼 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
姉様あねさんおらの号外だよ。今朝、号外に腹が痛んだで、稲葉丸さ号外になまけただが、直きまた号外に治っただよ。」
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
多「敵もたねえで、己山を下りるという理合りえゝはねえからおらア往かねえ、坊様に怪我アさせてはなんねえから」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きつちやんやおあたりよとこゑをかけるにれはいやだとつて柱際はしらぎはつてるを
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きつちやんすこしおいそぎとはれて、なんだかれはつから面白おもしろいともおもはれない
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其眞面目そのまじめがほはとわらひこけるに、おいらだつても最少もすこてば大人おとなになるのだ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おいらはなんでも奇麗きれいのがきだから、煎餅せんべいやのおふくのやうな痘痕みつちやづらや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うぬが勝手に尊皇愛国を狭く解釈して濫りに不敬呼ばはりするは恐れ多くも皇室の稜威みいつを減ずるはゞかりある次第だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
あのような惰弱だじゃくな逸楽に時を忘れて、外ならぬうぬが所業で、このやまとの国の尊厳をきずつそこねていることに気がつかぬのじゃ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
此は、「オノミコト和魂ニギタマを八咫鏡に取りけて」(国造神賀詞)など言ふ信仰に近づいてゐるのだ。
オノ」の方は「お」類の万葉仮名を使い、「ヲシ」の方は「を」類の万葉仮名を使うという風に、語によってはっきりきまっているということを契沖が見つけたのであります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
が飯はすでにあまるを、が飯に足れりとはせで、なじかさはひとの物る、なじかさはよその物欲る。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が飯に足れりとはせで、なじかさはひとの物る、なじかさはよその物欲る。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が住む家の歴史を知るにつけ、新村入は彼の前に問題として置かれた久さんの家を如何にす可きかと思いわずろうた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
アブラハム、ヤコブなぞ遊牧族ゆうぼくぞくの老酋長の物語は、十勝の山中に牛馬と住むが境涯に引くらべて、殊に興味が深いのであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かめ「多助の事と云うと目くじら立って騒ぎやアがる、おいらの子をおいらが勘当するのは当然あたりまえだ、手前てめえの世話にはならないぞ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おいらだ、滝だよ。おい、ちょいと誰だか手を握った奴があるぜ。串戯じょうだんじゃあない、気味が悪いや、そういってお前放さしてくんな。おう、後生大事と握ってやがらあ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だつて、そのくれゐあためへだア。お前さアばか、勝手な真似して、うらとがめられるせきはねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
前様まえさまア丹波屋でまんまアたべて居たが、雨たんと降らねえうち段々人が出て来たが、まだ沢山客がえうちうらと此の鹿はちはすけえに並んで飯たべて居ると
いつかおりゃ見た、い夢を。
爺さん慌てなさんな。こうおりゃ巡査じゃねえぜ。え、おい、かわいそうによっぽど面食らったと見える、全体おめえ、気が小さすぎらあ。なんの縛ろうとはやしめえし、あんなにびくびくしねえでものことさ。おらあ片一方で聞いててせえ少癇癪すこかんしゃくさわってこたえられなかったよ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千葉県知事折原らう氏が、以前福岡県知事を勤めてゐた頃、ある宴会で目もとの可愛かあいらしい芸者が側目わきめもふらず、じつと自分の顔に見とれてゐるのに気がついた。
とが張り合っている横合いから丁が差手をする。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
われと籠を作って籠の中の鳥になって居るのが可笑おかしくもある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
果ては犬の影され見れば、われところんで、最初から負けてかゝる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
をれは詩によつて名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
長次さんは全く一人で罪を引受けて死んだので、をれが居つたら殺しはせぬのぢやつたと龍馬が残念がつて居りました。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
よね なんべんも云ふごたるばツてん、お父つつあんの、あぎやんした人でなからんぎりや、おつてちや、国に戻るこつば勧むツとなるばツてん、どうにもかうにも、あツぢや、わざわざ苦労ば重ねぎや行くごたるもんだものね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
賤女しずのめの風はしているが京師けいしの公卿に縁ある者、おのずと備わる品位と美貌びぼうは、恥を含んで一層美しく、右門の眼にも見えるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは皆其の人の徳不徳にあるのだから、何でも構わずそれだけの稼ぎをせっせと遣るがようがんす、金を貯る心を起してはいけねえ、何でも貯めねえよう、うちには寄せ附けねえように働かせ、おらア貧乏だなんという心をよしにしてしまって、唯無茶苦茶に天地へ奉公をして居さえすれば
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よね おるも、今日、浜で、そるば云ふたツた。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
つちのとです。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
どのくらいか臆病おくびょうづらを下げて、きまりの悪いおもいをしたか知れやしねえ、畜生め、ひとが臆病だと思いやあがって
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
保雄は相変らず自分に対する新聞雑誌記者の無責任な悪戯いたづらまないのだなと思つた。茶の間の前桐の箪笥の前に立つた山田は、
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
武「いやそれは心配には及ばん、明日あしたわしが其のお筆さんと云うを町奉行所へ訴え出て帰れるようにして遣る、其の金はわしが遣ったんだ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
をのれの珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨かうともせず、又、おのれの珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出來なかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
一方、之は、をのれの詩業に半ば絶望したためでもある。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
——彼ヲ知リ、オノレヲ知ルトキハ百度ヒャクタビ戦ッテ百度勝ツ——と古語にあります。曹真はすでに初めから孔明の相手としては不足でした。いま帝みずからご進発あられてもそのたんを補うほどの効果は期し難く、万一、さらにまた敗れんか、魏一国の生命にかかわりましょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)