“己惚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うぬぼ54.1%
うぬぼれ37.8%
おのぼれ5.4%
おのぼ1.8%
うのぼ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良公からお前のことを聞いた時、女なんて到る処で招かずともなびいてくるものと、永い間己惚うぬぼれていた夢が一ぺんにさめてしまった。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
米友がここでもまた、呆気あっけに取られてしまいました。自分になついて来たと思ったのは、飛んだお門違いの己惚うぬぼれ——問題は熊の皮だ。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
他の注意を粧飾しょうしょくとしても身に着けておきたかった。その困難が今の彼に朧気おぼろげながら見えて来た時、彼は彼の己惚おのぼれいて見た。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あのかたは少し己惚おのぼれ過ぎてるところがあるのよ。それから内側と外側がまだ一致しないのね。上部うわべは大変鄭寧ていねいで、おなかの中はしっかりし過ぎるくらいしっかりしているんだから。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
作りし当時は誰しも多少の己惚うのぼれはまぬかるべからざることながら、小生の如きは全く俳道に未熟のいたすところ実に面目なき次第に候。過日子規より俳書十数巻寄贈し来り候。大抵は読みつくし申候。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)