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己惚
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おのぼれ
ふりがな文庫
“
己惚
(
おのぼれ
)” の例文
他の注意を
惹
(
ひ
)
く
粧飾
(
しょうしょく
)
としても身に着けておきたかった。その困難が今の彼に
朧気
(
おぼろげ
)
ながら見えて来た時、彼は彼の
己惚
(
おのぼれ
)
に
訊
(
き
)
いて見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
己惚
(
おのぼれ
)
かは知りませんが、私の頭は三井岩崎に
比
(
くら
)
べるほど富んでいないにしても、一般学生よりはずっと金持に違いないと信じています」
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
叔母も「自分の若い時の
己惚
(
おのぼれ
)
は、もう忘れているんだからね」と云って、彼女に
相槌
(
あいづち
)
を打ってくれた。……
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「黒い方がいいだろう。
生
(
なま
)
じ白いと鏡を見るたんびに
己惚
(
おのぼれ
)
が出ていけない。女と云うものは始末におえない物件だからなあ」と主人は
喟然
(
きぜん
)
として
大息
(
たいそく
)
を
洩
(
も
)
らした。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「つまり色気が多過ぎるから、そんな
入
(
い
)
らざるところに
我
(
が
)
を立てて見たくなるんでしょう。そうしてそれがあなたの
己惚
(
おのぼれ
)
に生れ変って変なところへ出て来るんです」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
強ひて考へて見ろと云はれたら、三四郎は愚弄其物に興味を
有
(
も
)
つてゐる女だからと迄は答へたかも知れない。自分の
己惚
(
おのぼれ
)
を罰する
為
(
ため
)
とは全く考へ得なかつたに違ない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分に逢つて手渡しにしたいと云ふのは——三四郎は
此所
(
こゝ
)
迄
己惚
(
おのぼれ
)
て見たが、
忽
(
たちま
)
ち
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういうと、
己惚
(
おのぼれ
)
になるようですが、私は今先生を人間としてできるだけ幸福にしているんだと信じていますわ。どんな人があっても私ほど先生を幸福にできるものはないとまで思い込んでいますわ。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎は美禰子の
為
(
ため
)
に
己惚
(
おのぼれ
)
しめられたんだと信じてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の心にはこんな
己惚
(
おのぼれ
)
もあった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
己
常用漢字
小6
部首:⼰
3画
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“己惚”で始まる語句
己惚病
己惚鏡
己惚面