“忽”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
たちま86.4%
たちまち8.1%
ゆるがせ2.1%
ゆるが1.0%
こつ0.7%
ゆる0.5%
たち0.4%
おろそ0.3%
ゆるかせ0.3%
タチマ0.1%
(他:1)0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“忽”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸37.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.3%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行6.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
貫一の手にすがりて、たちまちその肩におもて推当おしあつると見れば、彼も泣音なくねもらすなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と尋ねた。すると不思議なことには赤鸚鵡がたちまち姫の前の金網へ飛び付いて、姫の顔を真赤まっかな眼で見つめながら――
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
が、兎に角海外に出ると、その八重たると一重たるとを問わず、桜の花さえ見る事が出来れば、たちまち幸福になる人種である。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
たちまちにして世人の視線をあつめ、未だ読まざるものはもって恥となし、一度読みたるものは嘖々さくさくその美を嘆賞し
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
その教授法の厳格にして周到な事、格を守って寸毫もゆるがせにしなかった事、今思っても襟を正さざるを得ないものがある。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
漠然と文章を作るのは、無意味である。文章を書く際には、少くとも常に如上にょじょうの自覚に立つことをゆるがせにしてはならない。
文章を作る人々の根本用意 (新字新仮名) / 小川未明(著)
婆サンノ説ニ依ルト颯子ハアレデナカ/\計数ニ委シク、出入ノ商人ノ請求書ナドモゆるがセニシナイ。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
諸宗の信徒悉く合掌礼拝、一応の崇敬をばゆるがせにせず、帰りには名物の煎餅
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
旗さし物や、甲冑で、槍の光が、朝の陽にきらめいているのが、こつとして、山霊のふところから湧き出た雲の如く見えた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早暁臥床を出でゝ、心は寤寐ごびの間に醒め、おもひは意無意いむいの際にある時、一鳥の弄声を聴けば、こつとしてれ天涯に遊び、忽として我塵界に落るの感あり。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
彼はこの暑い休暇中にも卒業後の自分に対するはかりごとゆるがせにはしなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、収穫時が来ると、お初穂はつをどれも一箇ひとつずつ、妙法様と御先祖にお供えした後は、皆売り出すのだから、今からの手入れは決してゆるがせにはできない。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
四角に見えたる食卓ながら横に板をして支えの腕木をめければたちまち長方形の大なる食卓と変じぬ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
賊軍少々抵抗したれど、たちまちにして退散す。気候暖かし。はれ
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
パンの食いかけ、蜜柑みかんの皮、それらも決しておろそかには出来ぬ発見物と見做みなされた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
技芸はどうでも、顔のよしあしは如何どうでも、ただそれだけでも残りとどまる名であるのに、何という運のよいことか、貞奴は美貌びぼうであり、舞台もおろそかでない。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
じつ身體攝養しんたいせつやうことは、一日いちじついへどゆるかせからず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しかし今まで己はゆるかせにしがちであったが、敬虔な目を
毒菌類の中にニギリタケを列して「形状一ナラズ好ンデ陰湿ノ地ニ生ズ其ノ色淡紅茎白色ナリシ人コレヲ手ニテ握トキハ則チ痩セ縮ム放ツトキハタチマチ勃起ス老スルトキハ蓋甚ダ長大ナリ」と書き、握リタケとして握り太なヅッシリしたキノコが描いてあるが、これは握リタケの名に因んでいい加減に工夫し
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
八つの声が答へて、彼等は訓練せられた所作のやうに、タチマチ一度に、草の上にクツロぎ、フタタビ杖をヨコタへた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
数年前の春の初め、野焼きの火が燃えのぼつて来て、唯一宇あつた萱堂カヤダウが、タチマチ痕もなくなつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)