“忽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たちま85.5%
たちまち8.6%
ゆるがせ2.0%
ゆるが1.4%
こつ0.7%
たち0.5%
ゆる0.5%
おろそ0.3%
ゆるかせ0.2%
タチマチ0.1%
タチマ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
魚玄機ぎょげんきが人を殺して獄に下った。風説はたちまち長安人士の間に流伝せられて、一人として事の意表に出でたのに驚かぬものはなかった。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
皆大いなる大理石の壇に雑草の萋々せいせいと茂れるのみ。天壇の外の広場に出ずるに、たちまち一発の銃声あり。何ぞと問えば、死刑なりと言う。
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
第十八条 礼儀作法は、敬愛の意を表する人間交際上の要具なれば、かりそめにも之をゆるがせにす可らず。ただその過不及かふきゅうなきを要するのみ。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
これ等が凍上によって著しく冬期の運輸が妨げられるという風なことがあれば、これは国防上からも一日もゆるがせに出来ない話である。
凍上の話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
早暁臥床を出でゝ、心は寤寐ごびの間に醒め、おもひは意無意いむいの際にある時、一鳥の弄声を聴けば、こつとしてれ天涯に遊び、忽として我塵界に落るの感あり。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
四角に見えたる食卓ながら横に板をして支えの腕木をめければたちまち長方形の大なる食卓と変じぬ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そして、収穫時が来ると、お初穂はつをどれも一箇ひとつずつ、妙法様と御先祖にお供えした後は、皆売り出すのだから、今からの手入れは決してゆるがせにはできない。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
技芸はどうでも、顔のよしあしは如何どうでも、ただそれだけでも残りとどまる名であるのに、何という運のよいことか、貞奴は美貌びぼうであり、舞台もおろそかでない。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
じつ身體攝養しんたいせつやうことは、一日いちじついへどゆるかせからず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
当麻語部タギマノカタリベの嫗なども、都の上﨟ジヤウラフの、もの疑ひせぬ清い心に、知る限りの事を語りかけようとした。だが、タチマチ違つた氏の語部なるが故に、追ひ退けられたのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
毒菌類の中にニギリタケを列して「形状一ナラズ好ンデ陰湿ノ地ニ生ズ其ノ色淡紅茎白色ナリシ人コレヲ手ニテ握トキハ則チ痩セ縮ム放ツトキハタチマチ勃起ス老スルトキハ蓋甚ダ長大ナリ」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)