“如何”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いか44.4%
いかん20.8%
いかが14.0%
どう10.6%
いかゞ3.6%
いかに1.9%
どん1.7%
0.8%
どれ0.3%
どんな0.3%
(他:29)1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はいつか口の中にかう云ふ言葉を繰り返してゐた。誰を?——それは彼には明らかだつた。彼は如何いかにも卑屈らしい五分刈の男を思ひ出してゐた。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、「ラルテイスト」の主人公は如何いかに女を殺さうとしても、多年の熟練を積んだ結果、ナイフは女の体に立たずに体のまはりにだけ立つのである。
父 今度もまた落ちてしまつたとさ。すると如何いかにもはづかしさうに長いを垂らしたなり、何処どこかへ行つてしまつたとさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
如何いかんせん机竜之助は、それを滑稽として見ようにも、また苦悶の極みとして見ようにも、どちらにしても見て取ることができない人でありました。
そんなような謀叛気がお角さんの頭にむらむらと湧いて来たのは、実行の如何いかんにかかわらず、商売商売の冥利みょうりだから仕方がありません。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一方にきんじょうずべきものあれば、他の一方においてこれをもくせざるもまた自然のいきおい、これを如何いかんともすべからず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「叔父さん達は御風呂は如何いかがですか」と豊世は款待顔もてなしがおに、「今日は、郷里くにへ帰る人の御馳走に立てましたところですが——」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
例えば火山の噴火を示すのでも本当に子供だましの模型や如何いかがわしい地殻断面図の行列であって、一つも現象の科学的な要点に触れていなかった。
教育映画について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「おそろいで、茶室のほうへ渡られぬか。殿にはおやすみになられたので、釜の火がむだになるかと思うていたところだった。如何いかがであるな」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
運命なのか、地面へ飛び下りるつもりの彼女は、丁度そのあなへどんと俯伏うつぶせにちこんだ時、如何どうとも全力が尽きてしまった。
我々われ/\ロシヤの地方團體ちはうだんたい醫術いじゆつ如何どうであらうか、精神病せいしんびやういてふならば
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それからお鉄の家に引取られてというものは、血が濁り、筋が緩み、気力が衰えて、如何どうにも斯うにも成らなかった。痴呆の如くに成るのみで有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ちつと散歩にでも御出おいでになつたら如何いかゞです。左様さう御勉強ぢや身体からだわるいでせう」と云つた事が一二度あつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかるに今日こんにち状態ぜうたい如何いかゞであるか、外語研究ぐわいごけんきう旺盛わうせいはまことに結構けつこうであるが
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
角助 なに、お禮にやあ及ばねえ。時にお孃樣、なんだかお天氣がをかしくなつて參りましたから、そろ/\お歸りになつては如何いかゞでございます。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
近来種々感ずるところあり、如何いかにしてもこの国に永住の事に決心せしにいては、来春早々、此較的人種に区別をおかぬ東部へ出向く考に候。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
かれらなんじらをわたさば、如何いかになにをわんとおもわずらうな、うべきことは、そのときさずけられるべし。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
かかるたはむれしてはばからず、女も為すままにまかせてとがめざる彼等の関繋かんけいそもそ如何いかに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『オヤそう、如何どんな顔をして居て? 私も見たいものだ。』と里子は何処どこまでも冷かしてかゝった。すると母はすごいほど顔色を変えて、
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ね、この自動鐵檻車じどうてつおりのくるま出來できなさい、如何どん危險きけん塲所ばしよだつて平氣へいきなもんです
安さんは大抵たいてい甲州街道南裏の稲荷いなりの宮に住んで居たそうだ。埋葬は高井戸でしたと云うが、如何どん臨終りんじゅうであったやら。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
が、母上は、我々の突然な結婚によって受けた苦痛、恥辱の感、それを如何うして償うかと云うことを根拠として、強く、彼女の意見に執されるのだ。
小さき家の生活 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
俺を見ろ、大きいぞ、素晴らしく美くしいぞ、如何うだ此の光る金色を見て羨しくないかハハハ其にお前なんかは蟋蟀こおろぎほどの音も出せないじゃあないか
一粒の粟 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
純粋に云って、詩と云うもののカテゴリーに入るか、如何うか、兎に角私にとっては、斯様な形式で書く唯一のものだ——私の詩と云える。
五月の空 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから、其處に立つて居たのが、如何どれ程の時間か自分では知りませんが、氣が附いた時は雨がスッカリ止んで、何だか少し足もとが明るいのです。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それから、其処に立つて居たのが、如何どれ程の時間か自分では知りませんが、気が付いた時は雨がスツカリ止んで、何だか少し足もとが明るいのです。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あなたそれは如何どれ位あると思って? 去年のたった九つだけの賭博場からの揚り高でも総額二億六千万フラン以上よ。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お前の阿父おつとさんは此の秩父ちゝぶの百姓を助けると云ふので鉄砲にたれたのだが、お前の量見は其れよりも大きいので、如何どんな災難がいて来ようも知れないよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そりや、ばあや、お前が日常いつも言ふ通り、老少不常なんだから、何時いつ如何どんなことが起るまいとも知れないが、かし左様さう心配した日には、うちの中にも居られなからうぢやないかネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
先づ第一に叔母様をばさんなどは東京を如何どんなにか賑かな処と思つて、そろ/\と自分の眼で自分の景色をつくつて居なさるだらうが、実地見ると必定きつとその想像の違つて居たことに驚かれるだらうと思ふ。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と、逐出おいだす筈の者に、如何いつしかポチという名まで附いて、姿が見えぬと父までが一緒に捜すようになって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女かれの石の如き拳は、如何いつまでも冬子の黒髪を握り詰めて放さなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
問 定次郎の来た月日時間は如何いつか。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
あてでっか。あて如何どないでもよろしおま」表情一つ動かさず、強いて言うならば、綺麗な眼の玉をくるりくるり廻していた。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
如何どないしてん? ん」山谷が驚いて豹一の顔を見ると、怖いほど蒼白み、唇に血がにじみ、前歯も少し赤かった。眼がぎらぎら光って、涙をためていた。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「では、新案コンロは如何どないだす。弁さえ立てば良え儲けになる」断った。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
如何いくよめいびりの胡麻白ごましろばあさんでも此時このときだけはのんびりして幾干いくら善心ぜんしんちかへるだらうとおもはれる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『イヤそれだれだつて道具だうぐります。如何いく上手じやうずでも道具だうぐわるいと十ぴきれるところは五ひきれません。』
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そうら解った、わたくし去日このあいだからどうも炭の無くなりかたが変だ、如何いくら炭屋が巧計ずるをして底ばかし厚くするからってこうも急に無くなるはずがないと思っていたので御座いますよ。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「然し晩になると大概校長さんが来ますからその時だけは幾干いくら気嫌きげんえだが校長さんも感心に如何いくらなんと言われても逆からわないで温和おとなしゅうしているもんだから何時いつか老先生も少しは機嫌が可くなるだ……」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
銀子は熟々つくづくと梅子のかほ打ちまもり居たりしが「梅子さん、貴嬢あなたはほんとに御憔悴おやつれなすツたのねエ、如何どうかなすつて——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
竜次郎が陣風斎から、八方巻雲の秘伝を授かったか如何どうかか。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
万一にも社会党等の妄論ばうろんなどに誤られる様なことがあらば、其れこそ彼女ばかりでは無い、山木一家やまきいつけに取つて由々しき大事なのである、で、今日君を御呼び立て致したのは、社会党を矢張り教会に入れて置かるゝ御心得か如何どうかを承つて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ユダヤ人ちうのは日本の××のような奴どもで、舎利甲兵衛に黒穂くろんぼを上げておきさえすれば、如何どげな前科があってもれる気遣いは無いという……つまり一種の禁厭まじないじゃのう。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この歌を書いた渋団扇で痳疹の子供を煽いで遣るとなあ。如何どげな重い痳疹でも内攻おいこみも何もせずに、スウウと熱がれるちゅうて一枚五文で飛ぶような売れ行きじゃ。昨日頼まれただけも百軒ばかり在る。世の中は何が当るやらわからん。
「賀来子は何の欠点もないのに一生棒に振るのや。如何どないする?」暗に手切れ金のことをほのめかしたのだ。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
恥をさらす様なものだったが、安二郎は兄の守蔵とお兼に事の次第を話して、如何どないしましょう。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
まあ、田中の新ちゃん、如何どないしてたの。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
如何なんとなれば、今日は既にすでによほど活動を要する時機である。
〔憲政本党〕総理退任の辞 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
如何なんとなれば尊王論の本尊といわるるの高山彦九郎、蒲生君平の如きは、『太平記』を読んで感奮したというのでありますが、『太平記』は戦乱時代、乱離動揺常なき時代の記事であるから、その群雄競い起る活動的な記事に刺激せられてただ何事か仕事をしたくてならなかったのではあるまいか。
流れ行く歴史の動力 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
ここに天皇、その早く還り上りませることを怪みまして、「如何いかさまに壞りたまひつる」と詔りたまへば、答へて白さく、「その御陵の傍の土を少し掘りつ」とまをしたまひき。
一 なげくさを如何いかな御人おひと御出おいであつた、出た御人は心ありがたい
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
また如何いな目醒めざましき奮鬪ふんとうをなすやはおほ必要ひつえうもあるまいとかんがへる。
八「今ほこにいたしそ如何ぞうすさな」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
如何ちやあん、えんが、やあたい。」
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
死亡者は如何ゐか取扱とりあつかひしか、普通ふつうの塲合は反つて知り難けれど、死者中の或る者を食ふ風習ふうしふの有りし事は、貝殼かいがら、獸骨、等に混じて破碎せる人骨じんこつの遺れるに由りて知るを得るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
如何イカに止めどなくなるのが、「ひとりガタり」の癖とは言へ、語部の古婆フルババの心は、自身も思はぬ意地くね悪さを蔵してゐるものである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その壻候補ムコガネの父なる人は、五十になつても、若かつた頃の容色に頼む心が失せずにゐて、兄の家娘にも執心は持つて居るが、如何イカに何でも、あの郎女だけには、とり次げないで居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
如何イカガお考へ遊ばしまする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
今歳コンサイ計策ケイサクソレ如何イカニ
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
センセイの旦那様もって如何イカンとなす? そういうときは勿論、時々旦那様に叱られるのよ、とは申しません。
生れは如何ドウでも、劇の研究期に、専ら東京に居られた。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)