“尾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.9%
21.1%
9.1%
ぴき7.7%
4.9%
ひき4.4%
4.2%
しっぽ1.6%
しり0.9%
0.5%
つき0.2%
つけ0.2%
びき0.2%
トレーン0.2%
つい0.2%
おしり0.2%
おっぽ0.2%
さき0.2%
しつぽ0.2%
すえ0.2%
0.2%
をはり0.2%
コン0.2%
シタ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
音も月もてついた深夜のまち、湯島切通しの坂を掛声もなく上って行く四手駕籠一梃、見えがくれに後を慕って黒い影がけていた。
「しかし、こんなに、みじかくては、よくべないだろう。それに、せまいかごのなかに、はいっていたので、羽先はさきがすれているから。」
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
建續たてつゞいへは、なぞへにむかうへ遠山とほやまいて、其方此方そちこちの、には背戸せど空地あきちは、飛々とび/\たにともおもはれるのに、すゞしさは氣勢けはひもなし。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところが、午前一時少しまえになると、今まであんなに釣れていたのがぴたっと止り、こんどはどうやってもだぼはぜぴきかからない。
水中の怪人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「敵の宋江が、姿を見せないのも、弓の花栄が尻ッを巻いて逃げたのも、そいつは無理もありません。自然だろうと思いますな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眩しがる二ひきのキヤリコの金魚は、多少怪訝の動作を鰭の角々のそよぎに示しながら、急に代つた水の爽快さを楽しむらしかつた。
花は勁し (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
だが、どうしたのかいっこうにつれない、一時間ばかりたっても、一の小魚さえかからない。ドノバンは断念だんねんしてさおをあげた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「でもね姉さん。晩はコワくてこまるの。誰も起きていないのに本堂でたくが鳴るんだもの。お父さんにきくと、鼠がふざけてしっぽで鐸を叩くんだって——。」
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「おちやおあがんなせえね」おつぎは勘次かんじしりいてすこ聲高こわだかにいつた。おつたはぎりつとしぼつた手拭てぬぐひひらいてばた/\とたゝいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その音が上の語の語尾音と合して一音となることがある(荒磯アライソ—ありそ、ウヘ—をのへ、イヘ—わぎへ、漕ぎで—こぎで)。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
聞て友次郎は小首こくびかたぶけ小びんきずとは少く心當りありとあとつき追々おひ/\うはさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
遺恨ゐこんに存じ私し方へは不通に仕つり其上惣内夫婦を付狙つけねらひ候事と相見え金谷村へ惣内夫婦罷越候歸りをあとよりつけ來り夜にまぎれて兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「こう、漁師りょうしたち。すずきでも鯉でもいいや、見事なやつを、二、三びきってよこしねえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長い滑稽こっけいトレーンのついた、幾人の手をくぐったかしれない華美はでな絹服のことも、戸口を一ぱいふさいでしまった途方もない大きさの腰張りクリノリンも、薄いろの靴のことも
とくと聞彦三郎は大いによろここれひとへに神佛の引合ひきあはせに依て斯る噂を聞者なるべしと思ひそつと木蔭より立出たちいで此人々このひと/\ついゆきたづぬる者ならば明白に分るべしと後よりはなしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
中央まんなかから取って矮鶏ちゃぼおしりの様ななりに致してすいだという、團十郎刈だんじゅうろうがりいとか五分刈ごぶがりあれが宜しいと、いきな様だが團十郎が致したから團十郎刈と云うと、大層名がいが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「長いおっぽですね。とても可愛い猫ね。黒猫ですね、名前は。」「名前はないんだ。」
老人と鳩 (新字新仮名) / 小山清(著)
にぎりには緑色のぎよく獅子頭ししがしらきざみて、象牙ぞうげの如く瑩潤つややかに白きつゑを携へたるが、そのさきをもて低き梢の花を打落し打落し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
冒險者アドヹンチユアラー」と、あたましつぽもない一げるやういた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さればこそ北条のすえ、足利のはじめにおいては、「天皇御謀反ごむほん」の新熟語も出できたりたるなれ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
彼等かれらけるとぎんごとひかつて獲物えものが一でもふねればそれを青竹あをだけつゝんで威勢ゐせいよくかついでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大抵新聞紙を読むには、読んではじめよりをはりに至るものでは無い。一二面を読んで三面を読まぬ人がある。三面を読んで一二面を読まぬ人がある。新作小説を読むものは講談を読まない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
るうちに肩を組んで寄って来た売子の魚屋やつが十コン一円二十銭で落いたとします。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其が、王朝文学の跡をシタうて来た連歌師・俳諧師等の慣用語にまで、這入つて行つた。季題の「祭り」を夏と部類する事は、後世地方の習慣から見れば、気分的に承けにくい。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ある時、後をけて行くと、海の波が二つに開けた。通ひ女はどん/\、其中へ這入つて見えなくなつた。女は其を悟つたかして、其後ふつつり出て来なくなつたと言ふ。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)