“つ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
6.8%
5.6%
5.4%
5.3%
5.0%
4.8%
4.4%
3.6%
2.8%
2.8%
(他:3627)53.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
萌黄もえぎの光が、ぱらぱらとやみに散ると、きょのごとく輝く星が、人を乗せて外濠そとぼりを流れて来た。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
娘は真身しんみに嬉しさを感ずるらしく、ちょっと籐椅子を私の方へいざり寄せ、ひじで軽く私のわきの下をいた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
村の点燈夫てんとうふは雨の中を帰っていった。火のいた献灯けんとうの光りの下で、なしの花が雨に打たれていた。
赤い着物 (新字新仮名) / 横光利一(著)
灯火あかりかん前にお稲荷様のそばに設けた囃子屋台はやしやたいの下に隠れている内に、段々日が暮れましたから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きりむような痛みを感じて私は又頭を枕に落ち付けた。そうして何事も考えられぬ苦しさのため息をホッといた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と云いますから、お島が急いで持ってまいった茶碗の水をグッと呑みほして太息おおいきき、顔色をやわらげまして、
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一向いつかう變則へんそく名所めいしよいて、知識ちしき經驗けいけんかつたかれ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『ですから、那麼事こんなこといてはにもわからんのです。議論ぎろんするちからいのです。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
二合目で、今まで気がかなかった山中湖が、半分ほど見えて来た、室は無論人はいないが、それでも明けッ放しになっている。
雪中富士登山記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
骨が折れて肉が破れるような痛みに包まれていた大異は、いつの間にか自分の体が小さな蟹のようになっているのに気がいた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
裏通りで、解らないが、恐らく町名が異ったろうと思う頃、庸之助は人の家の間の、もっともっと穢くせまい小道にれ込んだ。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
予欧州にあった日、大高名の学者とれて停車場へ急ぐ途中種々の事を問い試むるにその返答は実に詰まらぬものばかりだった。
先刻申し上げました弟子の話では、何でもあの男は仕事にとりかゝりますと、まるで狐でもいたやうになるらしうございます。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先刻申し上げました弟子の話では、何でもあの男は仕事にとりかゝりますと、まるで狐でもいたやうになるらしうございます。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
礼廻りから帰った彼は、村の仲間入すべく紋付羽織にあらためて、午後石山氏にいて当日の会場たる下田氏の家に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
勘次かんじ、それぢやれをつていてるんだ」巡査じゆんさはいつた。勘次かんじふるへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
岩崎は別荘を立てらねる事において天下の学者を圧倒しているかも知れんが、社会、人生の問題に関しては小児と一般である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、あれはゆきれいがあつて、小兒こども可愛いとしがつて、れてかへつたのであらうもれない。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれは、さくしたからあたまっこんで、はらばいになって、そのはなろうとしました。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
畳の上に、脚絆きゃはんわらじでッ立っている万吉、あわてて匕首あいくちを後ろへ隠して、土足のまま坐ってしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実はうからいて居たのであるけれども、うちがまだきまらないので、今日けふ迄其儘にしてあつたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またこのかんむりけてゐたひとこしのあたりには、金飾きんかざりのうつくしいおびがありまして
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
丁度彼と阿賀妻との間にはいぶる炉火があり、すすけた自在鍵じざいかぎには南部鉄瓶なんぶてつびんりさがっていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
清君は、木下大佐から形見にいただいた短刀を腰にって甲板に、いさましく仁王立におうだちになり、しぶきにぬれている。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
そのものに脅えたような燃える眼は、奇異な表情をたたえていて、前になり後になり迷いながいてくるのであった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
白は彼女にいて居ることもありましたが、二人の食物を求めるために忙しくて、彼処此処かなたこなたをとびまわりました。
狂女と犬 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
よく気をつけてみるなれば、あとから糸をつけてるした叩きもしないドロップの缶が、自然にグワーンと鳴っているのである。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すであしるまでにつかてて、くちなか菊之丞きくのじょうびながら
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
臍帯纏絡の変状は、御米が井戸端で滑って痛く尻餅しりもちいた五カ月前すでにみずかかもしたものと知れた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
栄三郎が、黙って振り向くと、前垂れ姿のお店者たなものらしい男が、すぐ眼の下で米きばったのようにおじぎをしている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
折角けて来た為吉と藤助の二人を差し置いて、差しあたりはこの新らしい二人を詮議しなければならない事になったのである。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
匍匐ほふくしてけて来た佐久間勢のうちから、一武者が、ぱっと立った。武者は槍もろとも、瀬兵衛の体へぶつかッて行き、
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、たくさんとってきて、材木ざいもくかさねてある、のよくたるところであそんだのです。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
やしろ境内けいだいにあるすぎのえだから、ドタ、ドタといって、もったゆきちました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちやこつぷあらひやうが奈何どうだとか、うまけるのに手間てまれるとかとりきんで
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おどかしけるやうなで、いはく==陰陽界いんやうかい==とあつたので、一竦ひとすくみにちゞんで
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
皇子おうじはそのとおり、十五人もいらしったごきょうだいの中から、しまいにお父上の天皇のおあとをおぎになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
嫂は裁縫をすみの方へ押しやっておいて、小六のむこうへ来て、ちょっと鉄瓶てつびんをおろして炭をぎ始めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私はちやうど籠球部へ籍を入れて四日目だつたが、指導選手のあとにのこのこいて行つて、夕陽丘の校門をくぐつたのである。
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
紳士がインバネスの小脇こわきに抱え直したステッキのさきで弾かれるのを危がりながら、後に細身の青年がいていた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
畑で桑などんでいると、彼はどんな遠いところで、せわしい用事に働いている時でも、彼女を見廻ることを忘れなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私たちにとって、朝倉先生を我校から失うことは、私たちの学徒としての生命の芽をみきられるにも等しい重大事であります。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「たいへんです、えびす軍勢ぐんぜいが、せてまいりました。」と、おうさまに、おげしました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一とおり診察しんさつして、医者はかわいそうなジョリクールが今度もやはり肺炎はいえんにかかっていることをげた。
その時、こっち岸の河原はきてしまって、もっと川を溯るには、どうしてもまた水を渉らなければならないようになりました。
鳥をとるやなぎ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そうしてその高原のきるあたりから、また、他のいくつもの丘が私に直面しながらゆるやかに起伏きふくしていた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
が、洋服をた儘、部屋へや敷居しきゐの上に立つて、なにせわしい調子で、細君をけてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
叙景に於てもあなたは矢張り同じ筆法で読者の眼を朦朧もうろうける事がすきであるように見受けました。
木下杢太郎『唐草表紙』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
硬玉の頸飾をけた鬚深い有力者達が、より/\相談をした。身内みうちの無いシャクの爲に辯じようとする者は一人も無い。
狐憑 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
これは長安ちやうあんにゐたときから、台州たいしういたら早速さつそくかうとめてゐたのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
この夢のような詩のような春の里に、くは鳥、落つるは花、くは温泉いでゆのみと思いめていたのは間違である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗助は朝出て四時過に帰る男だから、日のまるこの頃は、滅多めったに崖の上をのぞひまたなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鐘をけばあだだけれども、(と石段をしずかに下りつつ)このの二人は、ねたましいが、うらやましい。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それには二人ふたり弟子でしや寺男任せでなしに、まず自分で庭の鐘楼に出て、十八声の大鐘をくことだと考えた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御隠居と意見の合わないところから、越前えちぜん公の肝煎きもいりで、当時一橋家ひとつばしけいでいる人である。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その時分、水車番には老人が一人いた、与八はその老人が死んだ時はたしか十二三で、そのあとをいで水車番になったのです。
早瀬はしばらく黙ったが、思わずこまぬいていた腕に解くと、背後うしろざまに机にひじ、片手をしかと膝にいて、
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、お三輪が湯をしに来合わせて、特に婦人客おんなきゃく背後うしろへ来て、きまりの悪そうに手をいた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
後堀河天皇が位にかれると、西園寺公経が内大臣になり、ついで太政大臣になり、ややおくれて、嫡男実氏が内大臣になった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
しからばすなわち燕王の兵を起ししよりついくらいくに至るの事、タメルランこれを知る久し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)