)” の例文
嗚呼アノ爺もめさせられた、と思ふと、渠は云ふに云はれぬ惡氣さむけを感じた。何處へ行つても恐ろしい怖ろしい不安が渠にいて來る。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此人達は大小を指して殿様の行列の後にいて歩いた。勤王佐幕きんわうさばくやかましい争闘の時には昼夜兼行ちうやけんかうで浜町の上屋敷に上訴に出かけて行つたこともあつた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
私がチベットの方向に向って出立すれば必ず跡をけて来て私を殺すかあるいはチベットまで一緒に行って
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
監物が腰をあげると老僧がさきに立って案内した。監物の臣は監物の背後うしろからしぶしぶいて往った。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私は「銭形平次」を書き始めた頃は、大袈裟おおげさな道具立てと、怪奇な筋と、物々しい身振りで読者を驚かそうとした当時の所謂いわゆる大衆読物の型に、一応はいて行ったものである。
捕物小説のむずかしさ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それでも相応に糸瓜は空高く伸びたので、それを攀じ登って行くと犬も後からいて来たが、草履がたった一足だけ足らぬばかりに、天までもう一歩という所で糸瓜は止まっている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
で、この頃は私は、どこへ行くにも母のたもとにぶらさがっていて歩いていたが、叔母が来てからというもの、父は、私が母に踉いて出かけるのを妨げた。いろいろとすかして私を家にひきとめた。
張鎰は驚いてその後からいて往った。
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
ゾロゾロといて来た人達は、思わず声を立てたのも無理はありません。