不動像の行方ふどうぞうのゆくえ
本話 寒い風に黄ばんだ木の葉がばらばらと散っていた。斗賀野の方から山坂を越えて来た山内監物の一行は、未明からの山稼ぎに疲労し切っていた。一行は六七人であった。その中には二疋の犬が長い舌を出し出し交っていた。路の右手に夕陽を浴びた寺の草屋根が …