“団”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
だん25.6%
かたま20.5%
たま12.8%
かたまり10.3%
かた7.7%
まる5.1%
まろ5.1%
うち2.6%
とん2.6%
まどか2.6%
ダン2.6%
マル2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここは外夷に、屋島は内海の乱に、常時、防人さきもりだんがおかれていたものであろう。だから壇ノ浦のそばには火山ひのやま(のろし山)の名もある。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或る部分は分厚に葉が重り合つてまるくかたまつてしげつて居るところもあつた。或る箇所は全く中断されて居るのである。
軒提灯は蝋燭が流れて、並び連ねた紅いたまは一斉に瞬をして居る、人々は最早や祭日の楽を今一時間の中に尽すべく猶ほ浮かれて居る。黒い人山は少しづゝ其処を移して左右前後に動くのです。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ただ夢中になって反っちまって、白い胸を開けて見ると、肉へ響いて、かたまりが動いたと言います。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一処ひとところかたまるから、どの店も敷物の色ばかりで、枯野にした襁褓むつき光景ありさま、七星の天暗くして、幹枝盤上かんしはんじょうに霜深し。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よくもこれ程いひ合はしたやうに奥様をおもちやにせらるるものと。お秋よりは、大丸の手代眼をまるうして見送りぬ。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
この日丁度午過ひるすぎからごく軽い風が吹いて、高い処にも低い処にもまろがっていた雲が少しずつ動き出した。そして銀色に光る山の巓が一つ見え二つ見えて来た。
木精 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「煩いよ、算術みたいなことを云ふな。何と云つたつて病はされ方が貴様とは違ふ。おまけに俺は貴様のやうな、あんな、柄の長いうち……」
鶴がゐた家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
母親は畳んでいた重い四布よのとんをそこへ積みあげると、こッちを振りかえって、以前より一層肉のついたお庄の顔を眺めた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
添寝の夢も、まどかには、結びかねたるこの頃に、深いたくみの紅葉狩。かりに行て来て、帰るさの、道はさながら鬼女の相。心の角を押隠す、繻珍の傘や、塗下駄に、しやなりしやなりとしなつくる。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
歌舞伎も今日がラク故、長十郎、ダン子踊り、来て居たPを対手に踊った。我等のテーブル衣笠貞之助、大熊さん我等二人。大熊さんウォトカ、三人はバルザック〔ロシア産の白ブドウ酒〕
そして右『救荒本草』のその文は「土圞児、一名ハ土栗子、新鄭山野ノ中ニ出ヅ、細茎ハ蔓ヲ延テ生ズ、葉ハ荽豆葉ニ似テ微シク尖觥、三葉毎ニ一処ニ攅生ス、根ハ土瓜児根ニ似テ微シクマルク、味ハ甜シ、救飢ニシ根ヲ採リ煮熟シテ之レヲ食フ」(漢文)である。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)