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団
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かたま
ふりがな文庫
“
団
(
かたま
)” の例文
旧字:
團
或る部分は分厚に葉が重り合つてまるく
団
(
かたま
)
つて
繁
(
しげ
)
つて居るところもあつた。或る箇所は全く中断されて居るのである。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
私はしばらく指を唇にあてゝ、此黙つてゐ乍ら力み出す黒い
団
(
かたま
)
りに見入つた。何だが涙がそうつと込み上げて来た。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
彼はまた二三日前に人から聞いた
鬼火
(
ひとだま
)
のことを思いだした。青い
蛍火
(
ほたるび
)
の
団
(
かたま
)
ったような火の団りが電柱にぶっつかって、
粉粉
(
こなごな
)
になった
容
(
さま
)
が眼の前に浮んで来た。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
投げ出した
紙片
(
かみ
)
と肉一片——毛髪の生えた
皮肌
(
はだ
)
の表に下にふっくらとした耳がついて、裏は
柘榴
(
ざくろ
)
のような血肉の
団
(
かたま
)
りだ。暑苦しい屋根の下にさっと一道の冷気が流れる。
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「樹の根が崩れた、じとじと湿っぽい、赤土の色が
蚯蚓
(
みみず
)
でも
団
(
かたま
)
ったように見えた、そこにね。」
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
今まではその芭蕉も唯黒い
団
(
かたま
)
りにのみ見えていたのが、その闇を破ってぱっと稲妻が光ると、唯黒い団りと見えていた芭蕉は、そうではなくって、長い葉を何枚となく大空に突出していて
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
その一
団
(
かたま
)
りの石段の間には、ごく狭い平地があって、人家の入り口になっていた。その平地ごとにクリストフは、よろめきながら息をついた。上のほうでは、塔の上に
烏
(
からす
)
が飛び回っていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
高浜虚子氏が以前
何
(
なん
)
かの用事で大阪に遊びに来た事があつた。その頃
船場
(
せんば
)
辺の
商人
(
あきうど
)
の
坊子連
(
ぼんちれん
)
で、新しい俳句に夢中になつてる連中は、ぞろぞろ一
団
(
かたま
)
りになつて高浜氏をその
旅宿
(
やどや
)
に訪問した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青い
蛍火
(
ほたるび
)
の
団
(
かたま
)
ったような一団の
鬼火
(
ひとだま
)
がどこからとなく飛んで来て、それが非常な勢いで電柱に突きあたった。あたったかと思うと、それが
微塵
(
みじん
)
に砕けてばらばらと下におちた……。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
団
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
“団”を含む語句
集団
蒲団
団欒
団子
団十郎
大団円
座蒲団
布団
一団
羽団扇
団栗眼
団々
煮団子
団長
十団子
団体
団扇
炭団
地団駄
渋団扇
...