“かたま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
58.8%
20.0%
5.0%
5.0%
凝固3.8%
密集2.5%
凝結1.9%
北風0.6%
固化0.6%
群集0.6%
0.6%
集団0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
疑いのかたまりをその日その日の情合じょうあいで包んで、そっと胸の奥にしまっておいた奥さんは、その晩その包みの中を私の前で開けて見せた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは、多分に彼の変態性の欲望が原因したのであったが、職業とする所の趣味道楽が、ひどくかたまったことも一部のいんをなしていた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はしばらく指を唇にあてゝ、此黙つてゐ乍ら力み出す黒いかたまりに見入つた。何だが涙がそうつと込み上げて来た。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
八蔵は泰助にうらみあれば、その頭蓋骨は砕かれけん髪の毛に黒血かたまりつきて、頬より胸に鮮血なまちほとばしり眼を塞ぎ歯をしばり、二目とは見られぬ様にて、死しおれるにもかかわらず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「血が、十分に凝固かたまっていぬところを見ると、斬って間も無いが——一刀で、往生しとる。余程の手利きらしい」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
巴且杏はたんきやう時分じぶんには、おうちうらのお稻荷いなりさまの横手よこてにあるふるにも、あの密集かたまつてりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
第七十二 林檎のゼリー 前の通りに煮て出たつゆ布巾ふきんで漉してまた四十分間湯煎ゆせんにして四角な器へ入れて二、三日置くと自然と凝結かたまってゼリーになります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
利根川は北風かたまいなさの吹き替へにむれてくだる帆つぎてのぼる帆
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
心底のさっぱりした者の塗ったのは、さあッと乾いて、しっくり固化かたまっていて、まるっきり上りが違う。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
洋卓テーブルおほきなものでした、が、彼等かれらは三つともみんそのすみに一しよ群集かたまつてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかも三つともかたまっていたから、なおさら変であったが、自分が這入はいるや否や、三つの頭はたちまち離れた。その間から、つぼが見えたんである。壺の下からさいが見えたんである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
草のやうに低く黒く集団かたま
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)