“時分”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
じぶん97.3%
ころ1.7%
じふん0.3%
とき0.3%
ときわ0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど、そのひとたちは、子供こども時分じぶんにきいた、愉快ゆかいなオルガンのをいつまでもおもしたのであります。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時鳥ほとヽぎす時分じぶんをさがしてかへるなどをみちくさにさし、れをはせておわびをするとか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ねんはんまへといへばわたくしがまだ亞米利加アメリカ大陸たいりく滯在たいざいしてつた時分じぶんこと
さだめしいま時分じぶん閑散ひまだらうと、その閑散ひまねらつてると案外あんぐわいさうでもなかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
このころが、みやこもいちばんにぎやかな時分じぶんとみえて、去年きょねんあき以来いらいなかった景気けいきでございました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
今日はまだお言いでないが、こういう雨の降ってさみしい時なぞは、その時分ころのことをいつでもいってお聞かせだ。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この外套氏が、故郷に育つ幼い時分ころには、一度ほとんど人気ひとけの絶えるほど寂れていた。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水は悪いし、流元ながしもとなんざ湿地で、いつでもじくじくして、心持が悪いっちゃあない。雪どけの時分ころになると、庭が一杯水になるわ。それから春から夏へかけてはすももの樹が、毛虫で一杯。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
葉山一帯の海岸を屏風びょうぶくぎった、桜山のすそが、見もれぬけもののごとく、わだつみへ躍込んだ、一方は長者園の浜で、逗子ずしから森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分ころ人死ひとじにのあるのは、この辺ではここが多い。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ればなう、おそろな音をさせて、汽車とやらが向うの草の中を走つた時分ころには、客も少々はござつたで、うりなといて進ぜたけれど、見さつしやる通りぢやでなう。わしたべる分ばかり、其もきびいたのぢやほどに、とてもお口には合ふまいぞ。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちひさなひよ時分じふんから、雄鷄おんどり自分じぶんべないものとばかりおもつてましたが、だん/″\おほきくなるうちに、自分じぶんえてはねてびつくりしました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
どうぞ御身おみを大事に遊ばして、必ず気をながくお持ち遊ばして、ね、決して短気をお出しなさらぬように——御気分のいい時分ときはこのほんをごらん遊ばして——私は東京あちらに帰りましても
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そこに乗っているのは長年見馴みなれたあの金聾かなつんぼじいさんではなく、頭を時分ときわけにした若い男であった。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
やがてまた足音がして、こんどは頭をぴかぴかの時分ときわけにし、黒い太いふち眼鏡めがねをかけた若主人が現われた。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)