“平生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へいぜい43.4%
いつも26.2%
ふだん19.1%
ひごろ3.9%
いつ2.5%
つね2.2%
へいせい1.4%
かねがね0.3%
しよつちゆう0.3%
つねづね0.3%
つねひごろ0.3%
へいぜ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから、小僧こぞうがものをいう時分じぶんには、みみたぶがあかくなって、平生へいぜいでさえ、なんとなく、そのようすがあわれにられたのであります。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)
お種は洗濯物を平生いつもの処へ浸したままで姿が見えなかった。母親は驚いてそのあたりを探して歩いたが、何処にもお種はいなかった。
蟹の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
愛子は縁側から静かにこっちを振り向いて平生ふだんと少しも変わらない態度で、柔順に無表情に縁板の上にちょっとひざをついて挨拶した。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼の父は洋筆ペンや万年筆でだらしなくつづられた言文一致の手紙などを、自分のせがれから受け取る事は平生ひごろからあまり喜こんでいなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或晩、氣弱者のお安が平生いつになく眞劒になつて、天理教の有難い事を父作松に説いたことを、松太郎は今でも記憶してゐる。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
紋「うむ、今日きょうはお兄上様からお心入こゝろいれの物を下され、それを持参いたしたお使者で、平生つねの五郎治では無かった、誠に使者太儀たいぎ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
敲音なども、平生へいせい使い慣れた卓子テーブルには早く起り、又諸種の心霊現象も、霊媒自身の居室でやるのが、最も容易に起り易いものである……。
うらみ参らせ候 家政の事は女の本分なればよくよく心を用い候よう平生かねがね父より戒められ候事とて宅におり候ころよりなるたけそのつもりにて参らせ候えども何を
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
平生しよつちゆう参りたいツて言ふんで御座いますよ、けれども御存知ごぞんじ下ださいます通り家の内外うちそと、忙しいもンですから、思ふばかりで一寸ちつとも出られないので御座いますから、嬢等むすめどもにもネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
山又山の奥ふかく分入わけいると、ういう不思議が毎々あるので、忌々しいからうかして其の正体を見とどけて、一番退治して遣ろうと、仲間の者とも平生つねづね申合せているけれども
こんな梅干爺でも平生つねひごろの心がけがいいからな、神信心をして、嘘をかず、それでみだらな心を起さずさ、だから神様が何時いつでもお姿を拝ましてくださるのだ、あのお池の中に祭ってござる水神様だ
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
若者は気軽にて平生へいぜ相撲すもうなどの好きなる男なれば、この見馴みなれぬ大男が立ちはだかりて上より見下すようなるを面悪つらにくく思い、思わず立ち上りてお前はどこから来たかと問うに、何の答えもせざれば
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)