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平生
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ひごろ
ふりがな文庫
“
平生
(
ひごろ
)” の例文
彼の父は
洋筆
(
ペン
)
や万年筆でだらしなく
綴
(
つづ
)
られた言文一致の手紙などを、自分の
伜
(
せがれ
)
から受け取る事は
平生
(
ひごろ
)
からあまり喜こんでいなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
平生
(
ひごろ
)
小六
(
こむず
)
かしい顔をしている先生の意外な珍芸にアッと感服さしたというのはやはり昔し取った
杵柄
(
きねづか
)
の若辰の物真似であったろう。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
五年前
(
いつとせまへ
)
の事なりしが、
平生
(
ひごろ
)
の望足りて、洋行の官命を
蒙
(
かうむ
)
り、このセイゴンの港まで
来
(
こ
)
し頃は、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして
新
(
あらた
)
ならぬはなく
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そして、
平生
(
ひごろ
)
の癖の松前追分を口笛でやり乍ら、ブラリ/\と引返して來ると、途中で外套を著、頭巾を目深に被つた一人の男に逢つた。然し別段氣にも留めなかつた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
当の獲物を射損じたばかりか、事に
臨
(
のぞ
)
んで弓弦が切れたのは
平生
(
ひごろ
)
の不用意も思いやらるるとあって、彼は
勅勘
(
ちょっかん
)
の身となった。彼は御忠節を忘れるような人間ではなかった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
人もし
試
(
こころみ
)
に仲秋船を
泛
(
うか
)
めてこのあたりに月を賞しなば、必ずや河も
平生
(
ひごろ
)
の河にあらず月も平生の月にあらざるを覚えて、今までかゝる好風景の地を知らで過ぐしゝを
憾
(
うら
)
むるならん。
水の東京
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
平生
(
ひごろ
)
よりは大いに身じまいを整え、ぞろりとした色男気取りで待合へ出かけました。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ああいう一徹な父親を持っている上に、
平生
(
ひごろ
)
からずいぶん口幅ったいことも言っていた男が、この
期
(
ご
)
に及んで逐電する! 彼にはどうしてもありうべからざることのように思われた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
見
(
み
)
すかされ
機械仕掛
(
きかいじかけ
)
のあやつり
身上
(
しんじやう
)
松澤
(
まつざは
)
ももう
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
よと
囃
(
はや
)
されんは
口惜
(
くちを
)
しく
脊
(
せ
)
なる
新田
(
につた
)
は
後廻
(
あとまは
)
し
腹
(
はら
)
の
織元
(
おりもと
)
其他
(
そのほか
)
へ
有金
(
ありがね
)
大方
(
おほかた
)
取
(
とり
)
あつめて
仕拂
(
しはら
)
ひたる
噂
(
うはさ
)
こそ
耳
(
みゝ
)
よりのことなれと
平生
(
ひごろ
)
ねらひすませし
的
(
まと
)
彼方
(
かなた
)
より
延期
(
えんき
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で、恋なればこそ
止
(
や
)
ん
事
(
ごと
)
なき身を屈して
平生
(
ひごろ
)
の恩顧を思ふて
夫
(
あ
)
の美くしき姫を麿に
周旋
(
とりもち
)
せいと荒尾先生に仰せられた。荒尾先生ほとほと閉口した。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
五年前
(
いつとせまえ
)
の事なりしが、
平生
(
ひごろ
)
の望み足りて、洋行の官命をこうむり、このセイゴンの港まで
来
(
こ
)
しころは、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして新たならぬはなく
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そして、
平生
(
ひごろ
)
の癖の松前追分を口笛でやり乍ら、ブラリ/\と引返して来ると、途中で外套を着、頭巾を目深に
被
(
かぶ
)
つた一人の男に逢つた。然し別段気にも留めなかつた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二十
(
はたち
)
の時、始めて人に誘われて藝者を揚げましたが、女達がずらりと眼の前に並んで、
平生
(
ひごろ
)
憧れていたお座附の三味線を引き出すと、彼は杯を手にしながら、感極まって涙を眼に一杯溜めていました。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平生
(
ひごろ
)
の望足りて、洋行の官命を蒙り、このセイゴンの港まで來し頃は、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして新ならぬはなく、筆に任せて書き記しつる紀行文日ごとに幾千言をかなしけむ
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
重兵衛それが
平生
(
ひごろ
)
の遺恨で、
些
(
ちよい
)
とした手紙位は手づから書けるを自慢に、益々頭が高くなつた。
規定
(
きまり
)
以外の村の
費目
(
いりめ
)
の割当などに、
最先
(
まつさき
)
に苦情を言出すのは此人に限る。其処へ以て松太郎が来た。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“平生”の意味
《名詞・形容動詞》
普段。常日頃。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“平生”で始まる語句
平生着
平生服
平生帶
平生穿
平生夢寐
平生由緒