“的”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まと53.8%
あて34.4%
てき6.0%
あた1.5%
こう0.9%
マト0.9%
あ0.9%
い0.3%
いくは0.3%
てつ0.3%
ねら0.3%
まこと0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから、その書が名技として尊敬の的(まと)にはならない。要は書家の書だからいけないのではない。大根役者の芝居だからいけないのだ。
料理芝居 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
ようやく三ヶ月計り前に倫敦(ロンドン)へ来た坂口(さかぐち)はガランとした家の中で、たったひとり食事を済すと、何処という的(あて)もなく戸外へ出た。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
盲(めくら)の上にツン的(てき)ときたひにゃ、それこそ、でくの坊(ぼう)よりなッちゃあいねえからな。ええオイ竹童……おッと、こいつは俺(おれ)がまちがった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
床の間の鹿の角の刀架(かたなかけ)に一本の刀が飾ってあった。由平はそれを取って阿芳に斬りつけた。刀は外れて襖(ふすま)へ的(あた)った。其の音を聞きつけて婢が飛んで来た。
阿芳の怨霊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
廻しているし、第一、中洲がだね、二三度、その店へ行(ゆ)きながら、糸的(こう)のうわさなぞをしないらしいのは、おかしいじゃないか。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「第一課。コノ絵ニカイテアル小(チイ)サナ人ハ、大キナ弓ヲイテ、遠イ的(マト)ニアテマシタ。コノ人ハ大キクナッテカラ……」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ただどこかで先程から、こーん、こーん、と凍っている夜空にひびく砧(きぬた)の音がある。それを的(あ)てに二人は歩いて、ようやく一つの明りを見た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へえ、いたします。弓と申しても楊弓(ようきゅう)ですが、五月、九月の結改(けっかい)の会には、わざわざ江戸へ出かけて行き、昨年などは、百五十本を的(い)て金貝(かながい)の目録を取ったということでございます」
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
キノツノの宿禰(すくね)は、木の臣・都奴の臣・坂本の臣の祖先です。次にクメノマイト姫・ノノイロ姫です。葛城(かずらき)の長江(ながえ)のソツ彦は、玉手の臣・的(いくは)の臣・生江の臣・阿藝那(あきな)の臣等の祖先です。
呑(のみ)皿小鉢(さらこばち)を叩(たゝ)き或は唄(うた)ひ或は踊(をど)りなどして樂みけり却説(さても)袋井の甚右衞門は此程(このほど)お芳の逃亡(かけおち)なせしは的(てつ)きり九郎兵衞の所業ならん然すれば不動院などに匿れ居るも知れずと流石(さすが)は商賣柄(しやうばいがら)だけ敏(はや)くも勘(かん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この家に出入する者は、或は、大きな蛇が、枝に絡み付いて、雀を的(ねら)っているのを見たといった。また、この森の奥にある家へ入って行くまでには、森の下を歩いて種々(いろいろ)な見慣(みなれ)ぬ虫を見たといった。
僧 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「真個(しんこ)関西志士の魁(さきがけ)、英風我が邦を鼓舞し来れり」。これ彼が高弟高杉晋作の彼を賛するの辞、言い尽(つく)して余蘊(ようん)なし。的(まこと)にこれ彼が事業の断案といわざるべからず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)