“真個”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞個
読み方割合
ほんと53.3%
ほんとう26.1%
しんこ8.7%
まったく4.3%
まつたく2.2%
まこと2.2%
しん1.1%
ほん1.1%
ほんたう1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
演技も真に迫つてゐて観客から見ては、舞台の上の俳優達が何処までが真個ほんとうに涙を流し、どこまでが空涙かわからぬほどであつた。
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
ですけれど、あの、おまねかれたら、懐中ふところへならなほことだし、冥土めいどへでも、何処どこへでもきかねやしますまい……と真個ほんとうおもひました。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されば真個しんこの富強は決して一躍してられるべきものではない、必ずや深くその根本を培養し、その素養を確実にせねばなりません。
国民教育の複本位 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
真個まったく、其のことばに違はないもんですから、主人も、客も、座を正して、其のいはれを聞かうと云つたの。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
るなんて、……るなんて、うしたんだらう。真個まつたくいて自分じぶんでもおどろいた。しらんでたもの。何時いつけたかちつともらん。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一面に青草あおぐさで、これに松のみどりがかさなって、唯今頃ただいまごろすみれ、夏は常夏とこなつ、秋ははぎ真個まこと幽翠ゆうすいところと行らしって御覧ごろうじろ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょうど、子爵とそのばばあとの間に挟まる、柱にもたれた横顔が婦人おんなに見える西洋画家は、フイと立って、真暗まっくらな座敷の隅へ姿を消した。真個しんに寐入っていたのでは無かったらしい。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそろしい、をとこつてほねかくす、とむらのものがなぶつたつけの……真個ほん孤屋ひとつやおにつて、狸婆たぬきばゞあが、もと色仕掛いろじかけでわし強請ゆすつて、いまではおあしにするでがすが、旦那だんななにはしつたか
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼男あのをとこ饒舌家おしやべりで、真個ほんたうに仕方が無い奴だ。』と独語ひとりごとのやうに言つた。やがて、銀之助は何か思ひついたやうに、『何ですか、勝野君は其様そんなに御寺へ出掛けたんですか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)