“村”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むら93.9%
そん4.2%
あれ0.4%
なら0.4%
むり0.4%
フレ0.4%
ムラ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、ひろい、さびしい野原のはらでありました。まちからも、むらからも、とおはなれていまして、人間にんげんのめったにゆかないところであります。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まっしろゆきのようなはなさ。それが満開まんかい時分じぶんはちょうど、一そん銀世界ぎんせかいとなる。中国ちゅうごくのいなかには、すももばかりのむらがあるよ。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
遼邈之地とほくはるかなるくになほ未だ王沢うつくしびうるほはず、遂にむらに君有り、あれひとこのかみ有り、各自おの/\さかひを分ちて、もつて相凌躒しのぎきしろふ。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
土浦つちうらからかれつかれたあしあとてゝ自分じぶんちからかぎあるいた。それでもならへはひつたときちがひとがぼんやりわかくらゐ自分じぶん戸口とぐちつたとき薄暗うすくらランプがはしらかゝつてくすぶつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おとこは、これをってかえれば、むらのものたちが、みんなにやってくるとおもって、その時計とけいって大事だいじにしてむりかえりました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この歌では、元正天皇がやまびとであり、同時に山郷山フレ(添上郡)の住民が、奈良宮廷の祭りに来るやまびとであつた。この二つの異義同音の語に興味を持つたのだ。
さつきも話に出た、伊勢の奄芸郡の人が、祭りに参加するなど言ふことも、三輪の神人が山川隔てた北伊勢に居た事を見せてゐるのである。かうした村を、やはり単に「ムラ」或は神人村と言うて居た。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)