“捨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
69.4%
すて18.8%
すつ2.4%
ちゃ2.4%
2.0%
しゃ0.8%
しや0.8%
ずて0.8%
0.4%
うっち0.4%
おと0.4%
すち0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ねえさん、わたしが、あなたやおとうさんをてて、どこへかゆくといわれるのですか。わたしは、一しょうとうさんや、あなたのそばでらします。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
田の草をとる時にも、峠を越す時にも、この帽子はおれのつれだったが、今は別れる時だ。留吉は、帽子をすててしまおうと決心しました。
都の眼 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
ああ悔いても及ぶことかは。とてもかくてもすつる命の、ただこの上は文角ぬしの、言葉にまかせて金眸が、洞の様子を語り申さん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
それから今まで借りていた紅矢の着物を返してもとの通りに着せて、自分は新しい男の着物を着込んで、お婆さんの着物はちゃってしまいました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
小猿たちは、なんにおびやかされたのか、かれひとりを置きてにして、ワラワラとどこかへ姿すがたをかくしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おのれをつるには、そのうたがいを処するなかれ。その疑いを処すればすなわちしゃもちうるのこころざし多くず。人にほどこすにはそのほうむるなかれ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
しやの中に有を存し、有の中に捨をした心境が、渠をして長い日本文学の中に、かれ独特の創造と姿と心とを刻むことが出来た。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
其の時聴衆みな言ってえらく、ばかりの佳作を一節切のはなずてに為さんはおしむべき事ならずや、宜敷よろしく足らざるを補いなば、あっぱれ席上の呼び物となるべしとの勧めにもとづ
神河内から白骨しらほねへと流れて行く大川筋が、緑の森林の間を見え、隠れになって、のたくって行く、もう前穂高の三角測量標は、遥か眼の下にっちゃられて、小さくなっている。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
○「うんにゃア、逆上のぼせていやがるなア此奴こいつは余っぽど、そんなに荷厄介するならよ、うっちゃって仕舞やア一番世話なしだぜ、ハヽヽヽヽ」
雪頽なだれいのちおとしし人、命をひろひし人、我が見聞みきゝしたるをつぎまきしるして暖国だんこくの人の話柄はなしのたねとす。
切ろやれ、すちよやれ、やあ
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ただこの句のりのような感慨を愛して空を仰いで言った。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ノッソリテ、ハエタタキノゴトク、バタットヤッテ、ウムヲワサヌ。五百枚ゴヒャクマイ良心リョウシンイマヨ、ナド匕首アイクチノゾカセタルテイノケチナ仇討アダウ精進ショウジン馬鹿バカテヨ。島崎藤村シマザキトウソン島木健作シマキケンサク
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)