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遖
生憎この近眼だから、顔は
瞭然見えなかッたが、
咥煙管で艪を押すその
持重加減!
遖れ
見物だッたよ。
其の時聴衆
咸言って
謂えらく、
斯ばかりの佳作を一節切の
噺し
捨に為さんは
惜むべき事ならずや、
宜敷く足らざるを補いなば、
遖れ席上の呼び物となるべしとの勧めに
基き
進み
遖れなる山内先生の御
眼力恐入たり左樣に
星を
指て仰らるゝ上は
包み
隱すに
益なし此上は
有體に申べし實に
斯樣なりと
大望を企てし一
部始終落なく物
語り此上は
何卒先生の
知略を
述けるに亭主も此程
鈴ヶ
森にての
敵討の事此邊迄
隱れなく
遖れ
御本望を達せられし
段先々大悦なりと
祝し
倶に悦び其夜は
酒肴など出して種々に
待遇けるにぞ友次郎等は以前に
異らぬ
主の
侠氣を