“瞭然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りょうぜん44.0%
はっきり30.0%
はつきり14.0%
きつぱり4.0%
くっきり2.0%
はっき2.0%
りやうぜん2.0%
れうぜん2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
系図をひろげただけで一目瞭然りょうぜんであるが、彼こそは清和源氏の直流南北朝から応仁の乱を経て上野介の代にうつるまで五百余年間
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
国民はこの政界の颶風ぐふう切掛きっかけ瞭然はっきりと目を覚し、全力を緊張させて久しくだらけていた公私の生活を振粛しようとするであろう。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
もともと片方かたはうは暗い二條通に接してゐる街角になつてゐるので、暗いのは當然たうぜんであつたが、その隣家が寺町通りにある家にもかかはらず暗かつたのが瞭然はつきりしない。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
『そして、瞭然きつぱり言つて了ひましたの。……貴方には甚麽どんなに御迷惑だらうと思つて、後で私……』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
殊に今朝は雨上りの所為せいか空は拭ったようで、遠近あちこちそびえ立っている大建築は形ながら色ながら瞭然くっきりとして頗る壮観だ。田鶴子さんも同感だったと見えて
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
瞭然はっきりした買いたさを自分が感じていたのかどうか、自分にはどうも思い出せなかった。宙を踏んでいるようにたよりない気持であった。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
後者の孟浪杜撰まんらんづざんなることは忽ち瞭然りやうぜんとなるであらう。しかもこの新らしい随筆の作者はかならずしも庸愚ようぐざいばかりではない。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
汝を恋ふるばかりに、やさしき処女の血にさへけがれしを知らずやテフ声、たちま如何処いづこよりか矢の如く心を射れり、山木梅子の美しき影、閉ぢたる眼前に瞭然れうぜんと笑めり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)