“きつぱり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
决然11.8%
決然11.8%
瞭然11.8%
適確11.8%
確乎5.9%
判然5.9%
截然5.9%
断然5.9%
斷乎5.9%
斷然5.9%
明白5.9%
毅然5.9%
的確5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを立身のかけはしになどは懸けても思ひ寄りませぬこと、未熟なれども我がことは我れでなすべく、此綱なければ世に立たれぬかの樣な、心配は御無用に御坐りますと决然きつぱりこたゆれば
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしよりねがふことゝいふことばきもをはらずそれならばおはなしありおくださりますかとあやしの根問ねどひおたかさまおまへさまのおむねひとうかゞへばわけのすむことほかでもなしまことねえさまにおなりくださらぬかと決然きつぱりいはれて御串戯ごじやうだんわたしこそまこといもと思召おぼしめしてとふを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『そして、瞭然きつぱり言つて了ひましたの。……貴方には甚麽どんなに御迷惑だらうと思つて、後で私……』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
戻して貰へ、といふ、その「貰へ」といふことば驕持心ほこりの強い健の耳に鋭く響いた。そして、適確きつぱりした調子で言つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其れを知らぬ程の良人をつとでは無いが、持前もちまへ負嫌まけぎらひな気象と妻をいたはる心とから斯う確乎きつぱりした事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
良人をつとは斯う確乎きつぱりと云ふけれど、世間の人々は良人をつとを誤解して何の縁故も無い人迄が毛嫌ひして居る。良人をつとの書くと云ふ小説の原稿を何処どこの雑誌社で買つて呉れると云ふあては全く無い。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
いちは、ちゝ暴怒ぼうどに対する自己の反動を、心理的に利用して、判然きつぱりことわらうと云ふ下心したごゝろさへあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「なんですかでは可厭いやです、よろしいと截然きつぱり有仰おつしやつて下さい。さあ、さあ、貴方」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
嬢様も好い加減に思切らせないと這般かういふ奴が瘋癲きちがひになるのだと思召して、其次来た時に断然きつぱりと、世間が煩さう厶いますから当分お尋ねはお断り申します
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
はじめからしまひまで間違まちがつてる』と斷乎きつぱり芋蟲いもむしひました。それから双方さうはうともくちつぐんでしまつたので、しばらくのあひだまたしんとしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
くだしおかれたり率御着用有りて然るべしとのべければ伊賀亮呵々から/\わら貴僧きそう御芳志ごはうしかたじけなけれど未だ御對面もなき中に時服じふく頂戴ちやうだいするいはれなし又拙者が粗服そふくで御對面なされ難くば夫迄の事なりおして拙者より奉公は願ひ申さずと斷然きつぱり言放いひはなし立上るいきほひに常樂院は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何時何処で逢つても、差障りのないやうに、別れぎわを明白きつぱりさせておく必要もあると思はれた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
と自分も故意と毅然きつぱりした聲で云ひ切つた。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
貴方あなたらないに、縁談がれ程すゝんだのか、わたしにもわからないけれど、だれにしたつて、貴方あなたが、さう的確きつぱり御断おことわりなさらうとは思ひけないんですもの」と梅子はやうやくにして云つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)