“毅然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぜん89.9%
しつかり1.4%
しやん1.4%
きっ1.4%
きつぱり1.4%
しっかり1.4%
しゃん1.4%
しゃんと1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれらの人物の毅然きぜんたるきびしさと端正な男らしさとを思った。そしてゆううつな微笑をうかべた。かれらならなんと言うであろう。
『でも、左様ぢや御座ませんか——新平民だつて何だつて毅然しつかりした方の方が、彼様あんな口先ばかりの方よりは余程よつぽど好いぢや御座ませんか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
優婉やさしいうちにも、どことなく毅然しやんとしたところが有る。斯う銀之助は考へて、奈何どう友達のことを切出したものか、と思ひつゞけて居た。間も無くお志保は奥の方から出て来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「それは……あの……あの方なのでございますが」と伸子は苦しげに顔を歪めて、云うまい云わせようの葛藤と凄烈に闘っている様子であったが、やがて、決意を定めたかのように毅然きっと法水を見て
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と自分も故意と毅然きつぱりした聲で云ひ切つた。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
それは毅然しっかりした女だ。人との応対も巧いし、私がいないでも、ちゃんと仕事の運びのつくように、用を
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
もうすこし男性おとこの心情が理解されそうなものだとか、もうすこしひとの目に付かないような服装みなりが出来そうなものだとか、もうすこしどうかいう毅然しゃんとした女に成れそうなものだとか
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
働き者だとか、気性まさりだとか言われて、男と戦おうとばかりするような毅然しゃんとした女よりも、反って涙脆い、柔軟やわらかな感じのする人の方が好ましい。快活であればなお好い。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)