“服装”のいろいろな読み方と例文
旧字:服裝
読み方割合
なり50.5%
みなり32.7%
ふくそう7.6%
いでたち3.3%
なりふり1.8%
つくり1.1%
こしらえ0.7%
よそおい0.7%
したく0.4%
でたち0.4%
ふくさう0.4%
コスチュウム0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はよりその人に出会う事を好まなかった。万一出会ってもその人が自分より立派な服装でもしていてくれればいと思っていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
半七はそれから日本橋の馬喰町へ行った。死骸の服装からかんがえて、まず馬喰町の宿屋を一応調べてみるのが正当の順序であった。
半七捕物帳:28 雪達磨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
アーチの下には、ニシキもようの服装をした番兵たちが、えの長いやりをかたわらにおいて、すわりこんで、サイコロびをしていました。
同行を求められても嫌な顔も見せず、一度家の中へ入って帽子を手にして出てくると、紋付服装でそのまま自動車に乗り込んだ。
五階の窓:03 合作の三 (新字新仮名) / 森下雨村(著)
極く服装に関わない学士も、その日はめずらしく瀟洒なネクタイを古洋服の胸のあたりに見せていた。そして高瀬を相手に機嫌よく話した。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これで顔にむこうッでもあれば、うってつけの服装なんですが、それこそ、辻のお地蔵さんへあげるお饅頭みたいな、くるしい顔だ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
斬る時だけ侍の服装をして疑いを浪人の群へし、己れは下素の駕籠屋になりきって行こうと思いついた。
その一群れは足並揃えて粛々とこっちへ近寄って来る。同勢すべて五十人余り、いずれも華美服装である。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蔵前ふうの丸曲髷に、曙染被布をきて、手に小風呂敷をかかえている——、で、二、三日前とは、すっかり服装が違っているので、ヒョイと見違えてしまうけれど、それはまぎれもないお綱の変身。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と見れば軍艦羅紗の洋服を着て、金鍍金徽章を附けた大黒帽子を仰向けざまにった、年の頃十四歳ばかりの、栗虫のようにった少年で、同遊と見える同じ服装の少年を顧みて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
趣味高雅な、服装だけでも、十それが証明された。その奈美子が、うして大久保のところへせるやうになつたかは、へてみても、竹村にはわからなかつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
言い換えれば、あなたの「服装」の前に、私達は、私たち自身が恐ろしいのです。お解りになりましたか。お解りになりましたら、外套を脱ぐことだけは見合せて下さい。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)