“いでたち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イデタチ
語句割合
扮装60.3%
打扮8.0%
出立6.3%
服装4.6%
装束4.0%
扮裝3.4%
扮粧2.9%
1.7%
身装1.1%
風体1.1%
(他:11)6.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
令嬢風な扮装いでたちをした背の高い若い女で、束ね目も見せず一面に縮らした髪の下から、その耳朶がぽっかり覗き出していた。
人の国 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
丈夫一点張いってんばりのボックスの靴という扮装いでたちで、五里七里歩く日もあれば、また汽車で十里二十里歩く日もある
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
実に美々びびしい打扮いでたちでこの時ばかりはいかに不潔なチベットの者でもその前夜から湯を沸かして身体をきます。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
さりとて本場をめる関角力といふ風采ふうさいにもあらねば、通り掛りの武者修行といふ打扮いでたちにもあらざりけり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
みな歴々の女房衆にてましませば、肌にはきやうかたびら、色よき小袖うつくしく出立いでたち、少しも取みだれず神妙也。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重昌その日の出立いでたちは、紺縅鎧こんおどしのよろいに、金の采配を腰に帯び、白き絹に半月の指物さし、当麻とうまと名づける家重代の長槍をって居た。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
と、顔見知りらしい若侍。平馬から、いぶかしい服装いでたちで、のっそりと後に立った、闇太郎へと、目を走らせる。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
本陣の玄関先にある式台のところは、これらの割羽織に帯刀というものものしい服装いでたちの人たちで混雑した。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
忘れることのできないその面長な顔、瞳、くちびる、しかもかの老人が、なんとモーニングらしい装束いでたちで、すまして、ゆったりと並んでいることよ!
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
近よってきた白鹿毛しろかげの上には、かいがいしい装束いでたちをした彼女のすがたが、細身の薙刀なぎなた小脇こわきに持って、にっことしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれ業々げふ/\しい自分じぶん扮裝いでたちぢて躊躇ちうちよしつゝ案内あんないうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
し。」と決然けつぜんとし、長火鉢ながひばちまへはなれたはいが、あまさわやかならぬ扮裝いでたちで、
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夜が明けますと太郎と二郎と二人して、弁当を腰に下げて、杖をもって、草鞋わらじ穿いて、同じ、扮粧いでたちで出掛たのであります。
迷い路 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分の扮粧いでたちがその人たちのどれよりも立ちまさっている自信を十二ぶんに持っていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
お定まりの登山綱ザイル氷斧アックス角灯ランテルヌなどという小道具もさることながら一行のいでたちというものははなはだもって四分滅裂。
扉を排して入って来たのは、年の頃四十二三の、骨と皮ばかりに瘠せた背の高い男で、喪服のような黒づくめのいでたちをし、眠そうに瞼を垂れた極めて陰気な人物である。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
老いたるも若きも珍型異装を誇り顔に漫々然々ぶらりぶらりと練り歩く様子、異装にかけてはあえて人後に落ちざるタヌの身装いでたちはとみてあれば、今日はまた一段と趣向を凝らしたとみえ
2 極楽鳥パラダイツの飾りをつけたフェルトの流行とは正反対のグランとツバの拡い帽子を目深まぶかにした身装いでたち、……流行品店の飾窓に映るかの女の姿態を裸体にするキャバレーの門柱のムーラン・ルージュ。
戦争のファンタジイ (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
夜光を背にしてよくは見えないが、つんつるてんの紺飛白こんがすりに白い兵児へこ帯を太く巻いて、後世の英傑西郷先生の元祖みたいな風体いでたちだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ヤトラカン・サミ博士は、この、売占乞食うらないこじきに紛らわしい風体いでたちでもう、何年となく、せいろん島コロンボ市の、ことにマカラム街の珈琲コーヒー店キャフェ・バンダラウェラのあたりを、一日いっぱいうろついて
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ヂドは無情なる夫のせめては啓行いでたちの日をおそうせんことを願へり。
わずかに店の余地でしまの綿服にたすきがけのボオイが曹達水ソーダすいの給仕をしており、手狭な風月の二階では、同じ打份いでたちの男給仕が
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
松島はすらりとしたせ形で、上等の上布がすり錦紗きんしゃ兵児帯へこおびをしめ、本パナマの深い帽子で禿はげを隠し、白足袋たび雪踏穿せったばきという打份いでたち
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「武士とや。打揃いでたちは」
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「そのいでたちでコソコソとお留山へ登ろうと言うのは、怪しい奴に相違あるまい、ひと詮議してやる、来い」
天保の飛行術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
すると軌道レール沿ふて三にん田舍者ゐなかもの小田原をだはら城下じやうかるといふ旅裝いでたち
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
けたる袈裟けさいろせて、法衣ころもそでやぶれたるが、服裝いでたちれば法華宗ほつけしうなり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
秋は十月の頃で紅葉のさかりだった。例の、人目を驚かすばかりな風流行装いでたちで、小鷹狩こたかがりの帰りを、佐々木道誉、秀綱の父子が、従者大勢と共に東山の妙法院のそとを通りかけた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折からとある茶屋の床几しやうぎに腰掛けゐたりし、廿五六の優男、ふし結城の羽織に糸織の二枚袷といふ気の利きたる衣装いでたちにて、商家の息子株とも見ゆるが、お糸を見るより馴れ馴れしげに声かけて、
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
鼻下びかき八ひげあり、人々ひと/″\洋服やうふくなるに引違ひきちがへて羽織袴はおりはかまといふ衣裝いでたち
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
君が今朝けさ装衣いでたちはと翁まず口を開きてやや驚けるようなり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
りゅうとした身裝いでたちをしたこの紳士の、威風凛々たる面構えは、わいわい囃し立てていた野次馬どもにも、大いに威壓的な效果を生んだ。