“鍬形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわがた84.6%
くはがた15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その一つは、萌黄匂もえぎにおいよろいで、それに鍬形くわがた五枚立のかぶとを載せたほか、毘沙門篠びしゃもんしのの両籠罩こて小袴こばかま脛当すねあて鞠沓まりぐつまでもつけた本格の武者装束。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
典厩信繁、その日のよそおいは、の花おどしの鎧に、鍬形くわがたのかぶとを猪首いくびに着なし、長槍を小脇に、甲斐黒の逸足にまたがっていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
緋縅ひをどしの鎧や鍬形くはがたかぶとは成人の趣味にかなつた者ではない。勲章も——わたしには実際不思議である。なぜ軍人は酒にも酔はずに、勲章を下げて歩かれるのであらう?
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あまつさ辿たどむか大良だいらたけ峰裏みねうらは——此方こちらひとりむしほどのくもなきにかゝはらず、巨濤おほなみごとくもみね眞黒まつくろつて、怨靈をんりやう鍬形くはがた差覗さしのぞいてはえるやうな電光いなびかりやまくうつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)