“巨濤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょとう41.7%
おほなみ25.0%
こたう16.7%
おおなみ8.3%
なみ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筋もなく流れる水の平野のおもてには、乱れた鬣を持った大きな獣のような巨濤きょとうが立って、長い低いはっきりとしたうなりをしてあちこちに動き廻っていた。
あまつさ辿たどむか大良だいらたけ峰裏みねうらは——此方こちらひとりむしほどのくもなきにかゝはらず、巨濤おほなみごとくもみね眞黒まつくろつて、怨靈をんりやう鍬形くはがた差覗さしのぞいてはえるやうな電光いなびかりやまくうつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
滔々たう/\たる水路すゐろ五百余里よりながれて東海に入り、巨濤こたうに千たうし風波に万てんすれども断折だんせつ砕粉さいふんせず、直身ちよくしん挺然ていぜんとして我国の洋中おきなかたゞよひ、北海の地方にちかより、椎谷しひや貧民ひんみんひろはれてはじめて水をはな
モコウは巨濤おおなみにうちたおされたひょうしに、帆綱ほづなにのどをしめられたのであった、かれはそれをはずそうともがくたびに、船の動揺どうようにつれて、綱がますますきつくひきしまるので
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
墨を流した空の下に、怪物のような巨濤なみが起伏して、その大穴へ船がちこんでゆくときは、今にも一呑みにされるかと思われた。