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巨濤
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きょとう
ふりがな文庫
“
巨濤
(
きょとう
)” の例文
筋もなく流れる水の平野のおもてには、乱れた鬣を持った大きな獣のような
巨濤
(
きょとう
)
が立って、長い低いはっきりとした
唸
(
うな
)
りをしてあちこちに動き廻っていた。
髪あかきダフウト
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
これを以てかの長風に
駕
(
が
)
し
巨濤
(
きょとう
)
を
凌
(
しの
)
ぎて、千万里を電走し五大州に隣交するを視ては、
豈
(
あ
)
にただに
跛躄
(
はへき
)
の行走と、行走の騎乗との
譬
(
たと
)
うべきがごとくならんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
と、またもやごうぜんたる音がして、
全船
(
ぜんせん
)
が
震動
(
しんどう
)
した、同時に船は、木の葉のごとく
巨濤
(
きょとう
)
の
穂
(
ほ
)
にのせられて、
中天
(
ちゅうてん
)
にあおられた。たのみになした
前檣
(
ぜんしょう
)
が二つに折れたのである。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
だが
何処
(
どこ
)
にも見えなかった。まッ白い雪の
巨濤
(
きょとう
)
がそのままの形でぴたりと停止していた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
轟音
(
ごうおん
)
もろとも船は転覆する。
巨濤
(
きょとう
)
が人間を
攫
(
さら
)
い
閃光
(
せんこう
)
が
闇
(
やみ
)
を
截切
(
たちき
)
る。あたり一めん人間の叫喚……。叫ぶように波を
掻
(
か
)
き分け、
喚
(
わめ
)
くように波に押されながら、恐しい渦のなかに彼はいる。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
巨
常用漢字
中学
部首:⼯
5画
濤
漢検準1級
部首:⽔
17画
“巨”で始まる語句
巨
巨大
巨人
巨細
巨魁
巨躯
巨勢
巨漢
巨刹
巨石