“巨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おお67.7%
おほ17.1%
でか4.3%
おおき2.4%
おおい1.8%
おほき1.8%
でけ1.2%
えら0.6%
おっき0.6%
きょ0.6%
きよ0.6%
0.6%
でっ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから数分後に、私はそのおおきな岩をのあたりに見ることのできる、例の見棄みすてられたヴィラの庭のなかに自分自身を見出みいだした。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
みんなは七つ森の機嫌きげんの悪い暁の脚まで来た。道がにはかに青々と曲る。その曲り角におれはまた空にうかぶおほきな草穂くさぼを見るのだ。
秋田街道 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
ともう一人、図体のでかいのが進み寄った。悉皆みんなで六人いた。相撲を取りながら待っていたのだった。早川君と草刈小僧の大将の間に論判が始まった。
ある温泉の由来 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
なぎさの、斜向はすむこうへ——おおきな赤い蛇があらわれた。蘆かやを引伏せて、鎌首を挙げたのは、真赤まっかなヘルメット帽である。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
更に迂回うかいして柴折戸しおりどのあるかたき、言葉より先に笑懸けて、「暖き飯一ぜん与えたまえ、」とおおいなる鼻を庭前にわさきへ差出しぬ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拙者せつしやふるくから此石とは馴染なじみなので、この石の事なら詳細くはししつて居るのじや、そもそも此石には九十二のあながある、其中のおほきあなの中にはいつゝ堂宇だうゝがある
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其処そこに帳面を付ける矢立のでけえのがあるから、茶でもたらして書けよ、まだ茶ア汲んで上げねえが、其処に茶碗があるから勝手に汲んで飲めよ、虫尽しだな、その女子おなごが此のふみを見て
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それにおらも心にかけて、此の畠や田地をわれがに譲ってもたかが知れてるから、めて金でも遣るべえと思って、己が身の上ではえらく貯めた積りだが、父様の脇差も汝より他に譲るものはねえ
私をこんな所へ連れて来たおっきい恐いあの奴が! ……あれあれあのように広い灰色の衣を振ってお姉様を呼んでいる。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
正成や尊氏は、いわば颱風時代に揉まれた生命中のきょなるものだ。官賊の別や功罪の論などは、私本太平記の任ではない。揉みに揉まれた荒天こうてんの下の生命それぞれを書いてゆきたい。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あんなきよ大なやつの懐中で
冠松次郎氏におくる詩 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
そいつは肩から首から、とてもかくて、牛というよりは猛獣に近い。正代は平気でそいつの鼻面をつかまえる。時々近所の人が牝牛をひいてカケてもらいに来るが、それはみな正代の役目だ。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
それともこゝのうちを二百両にでも三百両にでもたゝき売って仕舞って、お前を一緒に連れて越後の新潟あたりへ身を隠し、もう一と花咲かせでっかくやりてえと思うんだが