“抑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おさ55.5%
そもそ20.1%
そも6.6%
そもそも5.3%
4.8%
そも/\3.1%
1.0%
0.5%
ソモ0.5%
あるい0.3%
おさえ0.3%
おさゆ0.3%
おした0.3%
おそ0.3%
ぎよ0.3%
つか0.3%
ひか0.3%
よく0.3%
をさ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
コスモは手で横腹を強くおさえていたが、姫はそれをよく見ると、抑えている彼の指のあいだからおびただしい血がほとばしっていた。
そもそも早慶両大学が戟を交ゆるに至つた径路を語るには、第一にその径路と、当時両校を囲繞した四辺の空気を説明しなければならぬ。
——「是は又異なお頼み……なれども夫れだけの仔細ござらば、お頼みに応ぜぬものでもござらぬ。……そも、相手は何者でござるな?」
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そもそも「胡蝶夢」の筋と言えば、荘子も有らゆる賢人の如く、女のまごころを疑う為、道術によりて死を装い、細君の貞操を試みんと欲す。
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ドウしたってこの幕府と云うものはつぶさなくてはならぬ。も今の幕政のざまを見ろ。政府の御用と云えば、何品なにしなを買うにも御用だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人の才は猶鉄の如し、鍛錬一たび成ればつひに変ずべからざる乎。そも/\亦修養の工夫くふう一簀いつきに欠かれて半途にして進歩を中挫せしか。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
といひ、彼聞きて、今は心を安んぜよ、我わが義務つとめを果して後行かざるべからず、正義これを求め、慈悲我をむといふに似たりき —九三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
兵庫は、彼の頭を、ぐいとした。伸び過ぎる麦の育ちを踏んでやるように——ぐいと首根をしていった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ソモ、コノタビ命ヲ捨テ、敵城へ赴カレシ忠志、世ニ有難シ、ワレコノ恩ヲイカニ報ズベキト、前後モ覚エ給ハズ泣給ヘバ、孝高モ暫シ涙ヲセキアヘザリシト。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(十) 子禽しきん、子貢に問いて曰く、夫子のこのくにに至るや必ずその政を聞けり。(夫子)これを求めたるか、あるい(或)は(人君)之を与えたるか。子貢曰く、夫子は温良恭倹譲おんりょうきょうけんじょうもて之を得たり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
表具師ひょうぐしの使う言葉にも「蓑貼みのばり」というのがある。ふすま屏風びょうぶの裏打などに蓑の如く紙を重ねて貼るをいう。また「蓑おさえ」などともいう。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
左りの手にてかこう筈なし余は最早もはや我が心をおさゆあたわず、我が言葉をも吐くあたわず、身体に満々みち/\たる驚きに、余は其外の事を思う能わず、あたかも物に襲われし人の如く一せい高く叫びしまゝ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
勝ちて相問うことを得ず、天鈿女あまのうずめすなわちその胸乳むなぢあらわにかきいでて、裳帯もひもを臍の下におしたれて、咲噱あざわらいて向きて立つ〉、その名を問うて猿田彦大神なるを知り、〈鈿女また問いて曰く
現ぜるをみなよ、胸乳おそふる手の
叔父の安兵衞は正直者でぎよし易いが、甥の吉太郎は頭も腕つ節も出來て居るので、容易に手を下しやうがないため、三人殺しの罪を背負はせて
「さうぢやねえんだよ、店臺みせでえ自分じぶんあるはじまつたからつかめえたとこなんだよ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これらの言葉我をひかへしめたれば、我はこの問を棄て、自らひかへつゝたゞへりくだりてその誰なりしやを問へり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そうしているまに、彼の若い気性と、その若い血のなかに持っている理性とが、頭のなかで、彼の哄笑こうしょうよくしきれない泡つぶでも立てたように、突然、藤吉郎は、ばかばかしく大きな声で笑いだした。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やはらかい乳房の男の胸ををさへつけるやうな……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)