“潰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つぶ87.3%
つい6.2%
つひ1.0%
つぶし0.9%
0.9%
くず0.4%
つぶれ0.4%
ひし0.4%
つぶす0.3%
くづ0.1%
0.1%
ちや0.1%
ついや0.1%
つか0.1%
つひや0.1%
つぶさ0.1%
づけ0.1%
づぶ0.1%
のこ0.1%
ひしゃ0.1%
0.1%
0.1%
やぶ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆるいかゆと、つぶした蔬菜そさいであるが、この頃ではあごがうまく動かないとみえ、口からこぼしたりするので、ずいぶん時間がかかる。
竹柏記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この世の中の何処かの隅であの白痴がついえ崩れて仕舞うような傷ましさを、お蘭の心がしきりに感じるのをどうしようもなかった。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ぬる年、みやこにありつる日、鎌倉の兵乱ひやうらんを聞き、九二御所のいくさつひえしかば、総州に避けてふせぎ給ふ。管領くわんれいこれを責むる事きふなりといふ。
特に女の眼をよろこばせそうな冬菜ふゆなは、形のまま青くで上げ、小鳥は肉をつぶしして、枇杷びわの花の形に練り慥えてあった。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ごろごろ坊主頭が鉄のうす、鉄のきねひどい鬼にたたぶされて苦しんで居るのを見たが、それでもまあ普通の坊主は地獄の中でも少しはまた楽な事がある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
金剛の身には金剛の病、巌石も凍融いてとけの春の風にはくずるる習いだから、政宗だとて病気にはなろう。虫気というは当時の語で腹痛苦悩の事である。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すべて大材たいさいもちふる事目をおどろかせり、これ皆雪につぶれざるの用心なりとぞ。
そして、時々合間を隔てて、ヒュウと風のきしる音が虚空ですると、鎧扉がわびしげに揺れて、雪片が一つ二つ棧の上でひしげて行く。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ほるとはぶなの木にて作りたる木鋤こすきにてつちほるごとくして取捨とりすつるを里言りげんに雪を掘といふ、すでに初編にもいへり。かやうにせざれば雪のおもきいへつぶすゆゑなり。
私にまた先程のかろやかな昂奮が歸つて來た。私は手當り次第に積みあげ、また慌しくくづし、また慌しく築きあげた。あたらしく引き拔いてつけくはへたり、取り去つたりした。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
親譲りの財産をすっかりってしまい、その上親類中に大迷惑をかけ、長い間行方を晦ましていましたが、何十年目かで再び皆の前に姿を見せました時は
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
毎日まいにち苦蟲にがむしちやしたやうなつらつきばかしされたんぢやんなつちまあぞ、本當ほんたう
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ただ一揉みに屑屋くずやを飛ばし二揉み揉んでは二階をじ取り、三たび揉んでは某寺なにがしでらをものの見事についやくずし、どうどうどっとときをあぐるそのたびごとに心を冷やし胸を騒がす人々の
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ある夏の夕方、仲善なかよしの朋輩の一人が、荒縄の水につかつたのを
垣を引き捨て塀を蹴倒し、門をもこはし屋根をもめくり軒端の瓦を踏み砕き、唯一揉に屑屋を飛ばし二揉み揉んでは二階を捻ぢ取り、三たび揉んでは某寺なにがしでらを物の見事につひやし崩し
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雪につぶされざるため也。庭樹にはきは大小にしたがえだまぐべきはまげて縛束しばりつけ椙丸太すぎまるた又は竹をつゑとなしてえだつよからしむ。雪をれをいとへば也。冬草ふゆくさるゐ菰筵こもむしろを以おほつゝむ。
つぶれてしまったけれど、まだ形だけは残っている。アルコールづけにしよう。」
椰子蟹 (新字新仮名) / 宮原晃一郎(著)
あれは御存じのように縹緻きりょうが自慢でございます、自分ではこの城下で幾人のなかにはいると思っているのを、泰三さんが踏んづぶしたひょっとこのようだとお云いなすったそうで
思い違い物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「曲者ののこしていつたと思ふ品でもなかつたのか」
だから、あの風精ジルフスのユーモアは、今のような論理追求だけでひしゃげてしまうようなしろものじゃない。きっと水精ウンディヌスなどとは似ても似つかぬほど、狂暴的な幻想的ファンタスチックなものに違いないのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私は彼の下にされていた私の体を、静かに外へ引きずり出した。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして、いじらしくも指までしゃげてしまった、あの四肢てあしの姿が、私の心にこうも正確な、まるで焼印のようなものを刻みつけてしまったのです
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
諸仏菩薩もお許しあれ、生雲塔の頂上てっぺんより直ちに飛んで身を捨てん、投ぐる五尺の皮嚢かわぶくろやぶれて醜かるべきも、きたなきものを盛ってはおらず、あわれ男児おとこ醇粋いっぽんぎ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
曼珠沙華えたる門をつくろはず
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)