松本たかし句集まつもとたかしくしゅう
雨音のかむさりにけり虫の宿 作者が虫の音を静に聞いて居つた。そこへ雨が降り出して来た。その雨が庭木にあたつて、かすかな音をたてゝゐる。さういふ事実からこの句を得るまでの間の、作者の頭の働き具合を考へて見ると興味がある。働き具合と言つたところ …