“太”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふと41.6%
ふて19.4%
いた14.0%
はなは7.1%
ひど3.7%
ぶと2.0%
たい1.7%
1.4%
1.1%
はなはだ0.9%
ハナハ0.9%
えら0.6%
0.6%
ふとき0.6%
ふとり0.6%
いと0.3%
いか0.3%
いこ0.3%
いたく0.3%
おお0.3%
おほ0.3%
ふた0.3%
ふウと0.3%
ぶて0.3%
ぷて0.3%
ぷと0.3%
ハナハダ0.3%
フト0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みみずは、おもいきりいきながいて、ジーイ、ジーイ、といい、かえるは、ふとく、みじかく、コロ、コロ、といって、うたっていました。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
又「打ったで済むか、ことに面部の此のきず縫うた処がほころびたら何うもならん、亭主の横面を麁朶そだで打つてえ事が有るか、ふてえ奴じゃアおのれ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
露垂るばかりの黒髪は、ふさふさと肩にこぼれて、柳の腰に纏いたり。はだえの色真白く、透通るほど清らかにて、顔はいたく蒼みて見ゆ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此説は世の伝ふる所とはなは逕庭けいていがある。世の伝ふる所は一見いかにも自然らしく、これを前後の事情に照すに、しつくりと脗合ふんがふする。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そのアバラケを今日カワラケとなまったので、おまはんも二月号に旧伝に絶えてなきを饅頭と名づく、これかえってひどく凶ならず
それから、思いがけなく、まるで違ったものからでもおまえを連想させられる。ぼんのくぼのちぢりっ毛や、のぶとい率直な声音、——これ等も打撃だ。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
『まあ御病気もたいした事でありませんで結構でした。もつとお弱りかと思ひましてね、案じてりましたのですが。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
お島がてたような顔をして、そこへ坐ったとき、父親がかたい手に煙管きせるを取あげながら訊ねた。お島はうるんだ目色めつきをして、黙っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
きっとそうよ。あの人は何かにり着かれているに相違ないわ。(太吉の手をる。)ァちゃん。お前、なにか見なかったかい。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鴎外は空想の放肆ほうしにわたるのをはなはだしく恐れていたのである。しかしそれにもかかわらず、なぜか夢を好んでいたように見える。
相煎アイニルコト何ゾハナハダ急ナル
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えらいお邪魔にござります。)と、かがんで私に挨拶して、一人で合点して弁当を持ったまま、ずいと引退ひきさがった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だれもいないと思って、思うさまッかい声でひとりごとをいった。——それは、泣き虫の蛾次郎がじろうだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百樹曰、越遊ゑついうして大家のつくりやうを見るに、はしらふときこと江戸の土蔵のごとし。天井てんじやう高く欄間らんま大なり、これ雪の時あかりをとるためなり。戸障子としやうじ骨太ほねふとくして手丈夫ぢやうぶなるゆゑ、しきゐ鴨柄かもゑひろあつし。
つむぎの單衣に白ちりめんの帶を卷きて、鼻の下に薄ら髯のある三十位のでつぷりとふとりて見だてよき人、小さき紙に川村太吉かはむらたきちと書て張りたるを讀みて此處だ/\と車よりおりける、姿を見つけて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昨夜ゆうべいといくさのことに胸なやませていたていじゃに、さてもここぞまだ児女わらわじゃ。今はかほどまでに熟睡うまいして、さばれ、いざ呼び起そう」
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「命さえあれば、にい、どこでどう、めぐり逢わんとも限らんもんや。したが、尼も、この奉公を振出しに、それは、それはいかいこと、苦労辛苦をしたもんや。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いここわがりましてこちらへよう伺えぬと申しますので、手前駈出かけだして参じましたが、いえ、もし全くこちら様へは誰方もおいでなさりませぬか。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
綾子はおとがいを襟にうずめぬ。みがかぬ玉にあか着きて、清き襟脚くもりを帯び、憂悶ゆうもんせる心の風雨に、えんなる姿の花しぼみて、びんの毛頬に乱懸みだれかかり、おもかげいたくやつれたり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おお安萬侶やすまろ(七二三歿)に稗田の阿禮が誦む所のものの筆録を命じ、和銅五年(七一二)正月二十八日に、稿成つて奏上した。
古事記:04 解説 (旧字新仮名) / 武田祐吉(著)
和銅五年正月二十八日正五位の上勳五等 おほ朝臣あそみ安萬侶やすまろ
そぎやんやあとつたてちや、どぎやんもなりやせんとだるけん、これからのこつば考へて、気ばふたうもつこツたい、ムツシユウのことなんぞ、早う忘れてしまうた方が悧巧もんばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
あつちの尻尾しつぽふウといぞ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あのおむらが生きているうちは上げられません、七歳なゝつのときに金を出して貰い、芸を仕込んで今になってポーンと取られてたまるものかね、出来ません、おけえしなすって下さい、いけぶてい餓鬼だ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甚「うぬ、いけッぷてえ奴、能くもの谷へ突落しやアがったな、お賤も助けちゃア置かねえ能くもおれだましやアがったな、サア出ろ、いけッ太え奴だ、お賤のあまも今見ていろ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いや、恐ろしいの何のと云っても、今のおかんという女なんぞは、そこに自然と憐れみも出ますけれど、なかには、まだ肩揚げもおりない癖に、ずいぶんけっぷとい奴がありますからね。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鬚はねてハナハダ長し飾海老
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)
アマつのりとのフトのりとゴト
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
兼而御示の如く越荷方こしにかた久保松太先生に御目ニ懸り、止宿の所お御頼、則チ阿弥寺伊藤助太夫方ニ相成申候。是より近日長崎ニ参り、又此地ニ帰リ可申と存居申候。