トップ
>
太
>
ふと
ふりがな文庫
“
太
(
ふと
)” の例文
みみずは、
思
(
おも
)
いきり
息
(
いき
)
を
長
(
なが
)
く
引
(
ひ
)
いて、ジーイ、ジーイ、といい、かえるは、
太
(
ふと
)
く、
短
(
みじか
)
く、コロ、コロ、といって、うたっていました。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
親仁
(
おやぢ
)
が
喚
(
わめ
)
くと、
婦人
(
をんな
)
は
一寸
(
ちよいと
)
立
(
た
)
つて
白
(
しろ
)
い
爪
(
つま
)
さきをちよろちよろと
真黒
(
まツくろ
)
に
煤
(
すゝ
)
けた
太
(
ふと
)
い
柱
(
はしら
)
を
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
つて、
馬
(
うま
)
の
目
(
め
)
の
届
(
とゞ
)
かぬほどに
小隠
(
こがく
)
れた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
だが、そこへ来たのは噂をしていた者ではなく、丹前を着た別なお客、
太
(
ふと
)
り
肉
(
じし
)
でいい年をして、トロンとした目で
手拭
(
てぬぐい
)
を探している。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爪
(
つめ
)
は地面をひっかきしっぽは
短
(
みじ
)
かく
太
(
ふと
)
くなり、耳はつったち、口からはあわをふき、目は大きくひらいて、ほのおのように
輝
(
かがや
)
きました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「うん」と、清七は大きくうなずいて、「子分が何人居るか知らんけんど、することだけは
太
(
ふと
)
いのう。四斗樽一挺とは、豪勢じゃ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
百姓は、そっと黒い
爪
(
つめ
)
をした
泥
(
どろ
)
まみれの
太
(
ふと
)
い
指
(
ゆび
)
をのばして、まだひくひくひっつれているわたしのくちびるに
軽
(
かる
)
くさわりました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
最も
細
(
ほそ
)
く作られたるものは其
原料
(
げんれう
)
甚だ
見分
(
みわ
)
け難けれど
稍
(
やや
)
太
(
ふと
)
きもの及び
未成
(
みせい
)
のものを
列
(
つら
)
ね考ふれば、あかがひの
縁
(
へり
)
の
部分
(
ぶぶん
)
なる事を知るを得。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
には
必
(
かなら
)
ず
一方
(
いつぱう
)
に
節
(
ふし
)
のあるのが
要
(
い
)
ります。それが
出來
(
でき
)
ましたら、
細
(
ほそ
)
い
方
(
はう
)
の
麥藁
(
むぎわら
)
を
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
裂
(
さ
)
けたところへ
差
(
さ
)
し
込
(
こ
)
むやうになさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「馬鹿ね。二時間許り損をして」と云ひながら、折角
描
(
か
)
いた水彩の
上
(
うへ
)
へ、横縦に二三本
太
(
ふと
)
い棒を引いて、絵の具函の
蓋
(
ふた
)
をぱたりと伏せた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
話
(
はな
)
しませう』と
云
(
い
)
つて
海龜
(
うみがめ
)
は
太
(
ふと
)
い
銅鑼聲
(
どらごゑ
)
で、『お
坐
(
すわ
)
りな、
二人
(
ふたり
)
とも、それで
私
(
わたし
)
が
話
(
はな
)
し
終
(
をへ
)
るまで、
一言
(
ひとこと
)
でも
饒舌
(
しやべ
)
つてはならない』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
手桶
(
てをけ
)
の
冷
(
つめ
)
たい
水
(
みづ
)
で
曝
(
さら
)
した
蕎麥
(
そば
)
は
杉箸
(
すぎはし
)
のやうに
太
(
ふと
)
いのに、
黄蜀葵
(
ねり
)
の
特色
(
とくしよく
)
の
硬
(
こは
)
さと
滑
(
なめ
)
らかさとで
椀
(
わん
)
から
跳
(
をど
)
り
出
(
だ
)
し
相
(
さう
)
に
成
(
な
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
庇間合
(
ひあはひ
)
へ
捨置
(
すておき
)
て
早足
(
はやあし
)
に
逃出
(
にげいだ
)
し手拭ひにて深く
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをなし
膽
(
きも
)
太
(
ふと
)
くも坂本通りを逃行く
機
(
をり
)
から向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我はかの
太
(
ふと
)
く
醜
(
みにく
)
き肩の上に坐せり、ねがはくは我を抱きたまへといはんと思ひしかどもおもふ如くに聲出でざりき 九一—九三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
猫は、すばやく木の上へ跳びあがって、いく本もの
太
(
ふと
)
い枝やこんもりした葉が自分のからだをすっかりかくしてくれる
梢
(
こずえ
)
へすわりこみました。
狐と猫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
斯
(
こ
)
う云いながら、色の白い
太
(
ふと
)
り
肉
(
じし
)
の体を其処へ表わしたのは、かやの婆やのお常である。婆やは両手を広げる様な
恰好
(
かっこう
)
をして、かやに近づいた。
かやの生立
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「その通りだ。そこで俺は三十七を
金科玉条
(
きんかぎょくじょう
)
としている。八以上は困ると言ってあるのに、青山君の奥さんは四十三の
太
(
ふと
)
っ
女
(
ちょ
)
を持って来たんだ」
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
といって、
太
(
ふと
)
い
錐
(
きり
)
を
出
(
だ
)
して、
火
(
ひ
)
の中につっ
込
(
こ
)
んで
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
に
焼
(
や
)
きました。この
焼
(
や
)
いた
錐
(
きり
)
を木の
櫃
(
ひつ
)
の上からさし
込
(
こ
)
みますと、中で
山姥
(
やまうば
)
が
寝
(
ね
)
ぼけた
声
(
こえ
)
で
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「それは親切とも」いきなり
太
(
ふと
)
い声がしました。気がついてみると、ああ、二人ともいっしょに
夢
(
ゆめ
)
を見ていたのでした。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
最
(
も
)
う
一
(
ひと
)
つおかしいのは
肉体
(
にくたい
)
と
幽体
(
ゆうたい
)
との
間
(
あいだ
)
に
紐
(
ひも
)
がついて
居
(
い
)
ることで、一
番
(
ばん
)
太
(
ふと
)
いのが
腹
(
はら
)
と
腹
(
はら
)
とを
繋
(
つな
)
ぐ
白
(
しろ
)
い
紐
(
ひも
)
で、それは
丁度
(
ちょうど
)
小指位
(
こゆびぐらい
)
の
太
(
ふと
)
さでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
棒
(
ぼう
)
の
大
(
おほ
)
きくないものは、
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つた
棍棒
(
こんぼう
)
かと
思
(
おも
)
はれますが、
太
(
ふと
)
くて
大
(
おほ
)
きなものには、とうてい
持
(
も
)
つて
振
(
ふ
)
りまはすことの
出來
(
でき
)
ないものがありますから
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
頓
(
やが
)
て彼れ
衣嚢
(
かくし
)
を探り
最
(
いと
)
太
(
ふと
)
やかなる
嗅煙草
(
かぎたばこ
)
の箱を
取出
(
とりいだ
)
し幾度か鼻に当て我を忘れて其香気を
愛
(
めず
)
る如くに見せ
掛
(
かく
)
る、
去
(
さ
)
れど余は
兼
(
かね
)
てより彼れに此癖あるを知れり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
要吉はくやしさに思わず、
太
(
ふと
)
ったおかみさんのからだをむこうへつきとばした
夢
(
ゆめ
)
を見て目をさましました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
今
(
いま
)
は
亡
(
う
)
せたる
傘屋
(
かさや
)
の
先代
(
せんだい
)
に
太
(
ふと
)
つ
腹
(
ぱら
)
のお
松
(
まつ
)
とて
一代
(
いちだい
)
に
身上
(
しんじやう
)
をあげたる、
女相撲
(
をんなずまふ
)
のやうな
老婆樣
(
ばゝさま
)
ありき、
六年前
(
ろくねんまへ
)
の
冬
(
ふゆ
)
の
事
(
こと
)
寺參
(
てらまゐ
)
りの
歸
(
かへ
)
りに
角兵衞
(
かくべゑ
)
の
子供
(
こども
)
を
拾
(
ひろ
)
ふて
來
(
き
)
て
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その古い色を見ると、木村の父の
太
(
ふと
)
っ
腹
(
ぱら
)
な鋭い性格と、
波瀾
(
はらん
)
の多い
生涯
(
しょうがい
)
の
極印
(
ごくいん
)
がすわっているように見えた。木村はそれを葉子の用にと残して行ったのだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
二年生のエピファーノフが、ナイフと一ルーブリ
銀貨
(
ぎんか
)
をなくしたのである。この
赤
(
あか
)
いほっぺたをした
太
(
ふと
)
っちょの子供は、
盗難
(
とうなん
)
に気がつくと、わっと
泣声
(
なきごえ
)
をあげた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
それから五日目、三月の宵のお月樣が少しばかり
太
(
ふと
)
つて、櫻の便りがあちこちから、活溌に傳はつて來る頃、思ひも寄らぬ客が明神下の平次の長屋を驚かしました。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
月を負ひて其の顏は定かならねども、立烏帽子に
綾長
(
そばたか
)
の
布衣
(
ほい
)
を着け、
蛭卷
(
ひるまき
)
の太刀の
柄
(
つか
)
太
(
ふと
)
きを
横
(
よこた
)
へたる
夜目
(
よめ
)
にも
爽
(
さはや
)
かなる
出立
(
いでたち
)
は、何れ六波羅わたりの
内人
(
うちびと
)
と知られたり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
この快挙を具体化させた者は、ドレゴ、水戸、エミリーの三人と、
太
(
ふと
)
っ
肚
(
ぱら
)
のケノフスキーだった。彼等間の友愛と信頼感と感情とが、この事を早く搬んだのであった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
こういうように三方は山で
塞
(
ふさ
)
がっているが、ただ一方川下の方へと行けば、だんだんに
山合
(
やまあい
)
が
闊
(
ひろ
)
くなって、川が
太
(
ふと
)
って、村々が
賑
(
にぎ
)
やかになって、ついに甲州街道へ出て
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
金田
奴
(
うん
)
こそなんか、そぎやん
太
(
ふと
)
か
脚
(
あし
)
ば、
出
(
で
)
やあち……。おい、とみ公、コンニヤクを一杯……。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
私は
飛礫
(
つぶて
)
を打つことが好きであった。非常に高い樹のてっぺんには、ことに杏などは、立派な大きなやつがあるかぎりの日光に驕り
太
(
ふと
)
って、こがね色によく輝いていた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「おれの
角
(
つの
)
はなんて
美
(
うつく
)
しいんだらう。だが、この
足
(
あし
)
の
細
(
ほそ
)
いことはどうだろう、もすこし
太
(
ふと
)
かつたらなア」と
独語
(
ひとりごと
)
を
言
(
いつ
)
た。そこへ
猟人
(
かりうど
)
が
来
(
き
)
た。おどろいて
鹿
(
しか
)
は
迯
(
に
)
げだした。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
太
(
ふと
)
い
棒
(
ぼう
)
か
何
(
なに
)
かで
胸
(
むね
)
でも
突
(
つ
)
かれたやうに、よろ/\としながら、
無念氣
(
むねんげ
)
に
玄竹
(
げんちく
)
の
坊主頭
(
ばうずあたま
)
を
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
けたが、『
多田院御用
(
ただのゐんごよう
)
』の
五文字
(
いつもじ
)
は、
惡魔除
(
あくまよ
)
けの
御符
(
ごふう
)
の
如
(
ごと
)
く
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
製煉所の銅煙は、禿げ山の山腹の
太
(
ふと
)
短かい二本の煙突から低く街に這いおりて、靄のように長屋を襲った。いがらっぽいその煙にあうと、犬もはげしく、くしゃみをした。
土鼠と落盤
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
天業
(
てんげふ
)
恢弘
(
くわいこう
)
の
黎明
(
しののめ
)
、鎭みに鎭む底つ
岩根
(
いはね
)
の上に
宮柱
(
みやばしら
)
太
(
ふと
)
しき立てた
橿原
(
かしはら
)
の
高御座
(
たかみくら
)
を、人皇第一代
神倭磐余彦
(
かむやまといはれひこ
)
の
天皇
(
すめらみこと
)
を、ああ、
大和
(
やまと
)
は國のまほろば、とりよろふ
青垣
(
あをがき
)
、
鵄
(
とび
)
は舞ひ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
表
間口
(
まくち
)
九間の
屋根
(
やね
)
の
簷
(
のき
)
に初春の頃の
氷柱
(
つらゝ
)
幾条
(
いくすぢ
)
もならびさがりたる、その
長短
(
ちやうたん
)
はひとしからねども、長きは六七尺もさがりたるが
根
(
ね
)
の
太
(
ふと
)
さは二尺めぐりにひらみたるもあり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
太
(
ふと
)
の声にはなりきらないので、師匠を
苛々
(
いらいら
)
させ、ざっと一段あげるのにたっぷり四日かかったのだったが、その間に「日吉丸」とか「朝顔」とか「堀川」、「壺坂」など
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
備前の新太郎少将が、ある時お
微行
(
しのび
)
で岡山の町を通つた事があつた。
普魯西
(
プロシヤ
)
のフレデリツク大王は忍び歩きの時でも、いつも
握
(
にぎ
)
り
太
(
ふと
)
の
杖
(
ステツキ
)
を
揮
(
ふ
)
り廻して
途々
(
みち/\
)
懶
(
なま
)
け
者
(
もの
)
を見ると
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
肥
(
こ
)
え
太
(
ふと
)
った奴国の宮の
君長
(
ひとこのかみ
)
は、童男と三人の
宿禰
(
すくね
)
とを従えて
櫓
(
やぐら
)
の下で、痩せ細った王子の
長羅
(
ながら
)
と並んでいた。長羅は過ぎた狩猟の日、
行衛
(
ゆくえ
)
不明となって奴国の宮を騒がせた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
ところで「その大地主さんて人は人を助けるのに
太
(
ふと
)
っ
腹
(
ぱら
)
になれそうな人だとお前さんは思うかね?——お前さんの話だと、その人も困った羽目になってるということだが。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
その時、僕は何だか
蔑
(
さげす
)
むやうな気持で二人を見つめてやつた。男は痩せて鋭い顔をしてゐる。山のぼりの仕度をして、
背嚢
(
ルツクサツク
)
を負つてゐる。女は稍
太
(
ふと
)
り
肉
(
じし
)
で、醜い顔をしてゐる。
接吻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
(
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
がたに
落
(
お
)
ちてゐたのは、その
時
(
とき
)
捨
(
す
)
て忘れた
繩
(
なは
)
なのです。)
男
(
をとこ
)
は
血相
(
けつそう
)
を
變
(
か
)
へた
儘
(
まま
)
、
太
(
ふと
)
い
太刀
(
たち
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
きました。と
思
(
おも
)
ふと
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かずに、
憤然
(
ふんぜん
)
とわたしへ
飛
(
と
)
びかかりました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
根
(
ね
)
は
莖
(
くき
)
に
比
(
くら
)
べて
非常
(
ひじよう
)
に
太
(
ふと
)
く
長
(
なが
)
くなり、
岩
(
いは
)
の
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
などに
深
(
ふか
)
くもぐりこんでゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
柔順な若い男は、
肥
(
こ
)
え
太
(
ふと
)
った浮気婆さんのために、頭から押しつぶされています。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
紳士たちの
太
(
ふと
)
い
聲音
(
こわね
)
と貴婦人たちの銀のやうな
調子
(
アクセント
)
とが美しくからみ合つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
文豪
(
ぶんごう
)
ジョンソンが若い時非常の貧苦を経た結果、位置が出来ても、物を食えば
額
(
ひたい
)
に
太
(
ふと
)
い
筋
(
すじ
)
現
(
あら
)
われ、
汗
(
あせ
)
を流し、犬の如くむしゃ/\喰うた、と云う逸話を思い
浮
(
うか
)
べて、甚
可哀想
(
かあいそう
)
になった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
遠いところで
呼
(
よ
)
んでいるのが、だんだん近くなって来て、
太
(
ふと
)
い声が耳のそばでひびくのを聞いた時に、清造は、はっとわれに返りました。気がついてみると、それは
凧屋
(
たこや
)
の店の
裏
(
うら
)
でした。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
年ごろで、ますます
太
(
ふと
)
る一方の小ツルの目は、全く糸のように細くなっていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
太
(
ふと
)
いみきのかわをはがれ、まるはだかの、ほそっこいものにされて、とうとう、木だかなんだかわけのわからないものになると、この若いもみの木は、それをみてこわがってふるえました。
もみの木
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
密儀
(
ミステリー
)
の香気のゆえに、何となく人らしくない感じもする。しかし
太
(
ふと
)
り
肉
(
じし
)
の女であって唐風の衣裳をつけている点は変わらない。だからインドの女神としての印象を与えるとはいえない。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
“太”を含む語句
太陽
猶太人
墺太利
伊太利
太夫
猶太
太子
太息
太刀
太古
太股
以太利
太陽様
太政官符
太々
樺太
太郎
太棹
太初
大太鼓
...