“出立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅったつ43.6%
いでた19.7%
いでたち10.3%
しゆつたつ9.4%
でたち3.4%
でた2.6%
でたて2.6%
いでだち1.7%
たた1.7%
しつたつ0.9%
0.9%
たっ0.9%
たつ0.9%
たて0.9%
でだ0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生はこの驚嘆の念より出立しゅったつして、好奇心に移り、それからまた研究心に落ち付いて、この大部たいぶの著作を公けにするに至ったらしい。
そこで数日滞在の後、八月二十六日に一緒にそこを出立しゅったつして東北の方に向って行くと、その辺は一体に沼の原でそこここに浅い水が見えておる。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
黒頭巾で顔を包んでい、黒の衣装を纏っている。いわゆる黒鴨出立いでたちであった。体のこなし、声の調子、どうでも年は三十七八、そういう武士が立っていた。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かくてかの父たり師たりし者は己が戀人及びはやいやしきひもを帶とせし家族やからとともに出立いでたてり 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
重昌その日の出立いでたちは、紺縅鎧こんおどしのよろいに、金の采配を腰に帯び、白き絹に半月の指物さし、当麻とうまと名づける家重代の長槍をって居た。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
みな歴々の女房衆にてましませば、肌にはきやうかたびら、色よき小袖うつくしく出立いでたち、少しも取みだれず神妙也。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや串談じようだんではなし札幌さつぽろ病院長びようゐんちやうにんじられて都合次第つがふしだい明日あすにも出立しゆつたつせねばならず
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今朝けさに成つて出立しゆつたつ迄時間の余つて居るのを利用して停車場ステイシヨンうしろの動物園を観た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
昔、親鸞がこの寺に来て滞在しいよいよ帰ろうという日に、出立でたちの膳の箸を取って、御堂の庭にさしました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その出立でたちの時に自分はもう此辺このへんからしみじみ帰りたかつたのだとも哀れに思ひ出される。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
腹掛はらがけだけをヅタツと謂ったり(北飛騨きたひだから能登のと)、はかまだけをデンタツというところもあるが(秋田県)、元来は「出立でたち」だから、仕事着の全体を一括していうのが正しいのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
御殿場のここの駅路うまやじ、一夜寝て午夜ごやふけぬれば、まだ深き戸外とのもの闇に、早や目ざめ猟犬かりいぬが群、きほひ起き鎖曳きわき、おどり立ち啼き立ちくに、朝猟の公達か、あな、ひとしきり飛び連れ下りるさうぞきの、さて出立でたつらむ。
自分は三沢へ端書はがきを書いたあとで、風呂から出立でたての頬に髪剃かみそりをあてようと思っていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから東京へ出立でたてには飯が非常にうまいので、腹をえて食い出すと、大抵の宿屋はかなわない、三度三度食っちゃ気の毒だと云うような事を話して、またみんなを笑わした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうど立派な風采だけをつけたようなもので、容貌風采、出立いでだちがよいのであります。
私はその返事の端にすこしねたように、「きのうは大層まばゆいばかりのお出立いでだちだったと皆が申しておりますが、どうして私達にだけはお見せ下さらなかったのですか。本当に若々しいなされ方でしたこと」と書いてやったら、すぐ折り返し
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
じみなる着ものを俄の詮索、見苦しからず調ととのへていざとばかりその夕ぐれに浅木様を、出立たたせましたまひたる後は。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
と、養母ははだけを出立たたせた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
代助は、出立しつたつの当時、新夫婦を新橋の停車場に送つて、愉快さうに、ぢき帰つて来給きたまへと平岡の手を握つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
四日程よつかほどしてから、代助は又ちゝの命令で、高木の出立しつたつを新橋迄見送つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それでも常陸殿がお出立ちになったら私は寂しくなりますなあ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
常陸を出立たせるのはそのためじゃよ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ヤ細川! 突如だしぬけ出発たったので驚いたろう、何急に東京を娘に見せたくなってのう。十日ばかりも居る積じゃったがしゃくさわることばかりだったから三日居て出立たっしまった。今も話しているところじゃが東京に居る故国くにの者はみんなだめだぞ、ろくやつは一匹もらんぞ!」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
おれがせつぱを助けると、思ふてちやつと出立たつてくれ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「そうサ東京へ。旅費はもうできたが、彼地むこうへ行って三月ばかりは食えるだけの金を持っていなければ困るだろうと思う。だから僕は父に頼んで来年の三月までの給料は全部僕が貰うことにした。だから四月早々は出立たてるだろうと思う」
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
はげた茶の帽子に、藍縞あいじま尻切しりき出立でだちと、陽炎かげろうさえ燃やすべき櫛目くしめの通ったびんの色に、黒繻子くろじゅすのひかる奥から、ちらりと見せた帯上おびあげの、なまめかしさ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)