“陽炎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かげろう75.0%
かげろふ15.4%
かげろ2.5%
かげらふ1.7%
カゲロフ1.3%
かぎろひ1.3%
カゲロ1.3%
ようえん0.8%
かぎろ0.4%
カゲロウ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もはや彼は、奔馬のような脈を感じ、錯覚さえも生じて、蘆も土橋も水も何もかも、キラキラした、陽炎の中に消え去る思いがした。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
障子を細目に開けて見ると、江戸中の櫻のが一夜の中にらんで、の波の上に黄金色の陽炎が立ち舞ふやうな美しい朝でした。
唯、朱雀の並み木の柳の花がほほけて、霞のように飛んで居る。向うには、低い山と、細長い野が、のどかに陽炎うばかりである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
陽炎つて、太陽はほか/\としてる。れたが、濡色は、次第吸取られやうとする風情である。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日の光りは、霞みもせず、陽炎も立たず、をどんで見えた。昨日眺めた野も、斜になつた日を受けて、物の影が細長く靡いて居た。青垣の様にとりまく山々も、愈々遠く裾を曳いて見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
海凪ぎぬ、陽炎に立つと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
唯、朱雀の竝み木の柳の花がほゝけて、霞のやうに飛んで居る。向うには、低い山と、細長い野が、のどかに陽炎ふばかりである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
そこをドナウはゆるくうねり、銀いろに光って流れている。そのながれが遠く春の陽炎のなかに没せむとして、絹糸の如くに見えている。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この國の女子に生れて、一足も女部屋を出ぬのを、美徳とする時代に居る身は、親の里も、祖先の土も、まだ踏みも知らぬ。あの陽炎の立つてゐる平原を、此足で、隅から隅まで歩いて見たい。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)