“旱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひでり76.2%
ひで15.5%
かん2.4%
2.4%
かわ1.2%
1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田や畑の物は、だまって、ひでりの猛威の下に枯れているが、これが人間だったら、どうだろう。そんな世もやがて来ないとは限らない。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池には南京藻なんきんもが浮び始め、植込みには枯木が交るやうになつた。その内に隠居の老人は、或ひでりの烈しい夏、脳溢血の為に頓死した。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「まずいのう。……まるでかんに火をくような言葉じゃ。あの御方の底意が見え透いておる。——却って、その逆の来ることが分らぬとみゆる」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きっともて、こいづあ大きな蝸牛なめくずらからびだのだな。」
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
品川宿から高輪へかかると、海の風も生温なまぬるく感じられてくる。街道は白くかわき上って、牛馬や荷駄馬の通るたびに、はえ胡麻ごまのようにほこりを追う。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さあ、その残暑の、朝から、りつけます中へ、端書はがきが来ましてね。——落目もこうなると、めったに手紙なんぞのぞいた事のないのに、至急、と朱がきのしてあったのを覚えています。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今日実習じっしゅうんでから農舎のうしゃの前に立ってグラジオラスの球根きゅうこんしてあるのを見ていたら武田たけだ先生も鶏小屋にわとりごや消毒しょうどくだか済んで硫黄華いおうかをずぼんへいっぱいつけて来られた。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)