“て”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
33.9%
21.4%
13.6%
11.6%
3.9%
1.6%
1.5%
手蹟1.5%
筆蹟1.4%
筆跡1.3%
(他:105)8.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男はマグダの故郷に帰って、立派な紳士になりすましていると同時に、マグダは以太利イタリーで有名なうたになる。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
セルの単衣ひとへしたに襦袢をかさねて、に大きな白い百合ゆりはなを三本ばかりげてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
老人は袋のようなサイマの水路を自分のみたいに心得ていて、そしていつも船橋に立ってアナトウル・フランスを読んでいた。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
行ってからも別にせかせかせずに、悠々ゆうゆうと着物を脱ぎ、裸になった胸を丁寧にでまわしてから水につかる。
富籤 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
春日山かすがやまおしてらせるこのつきいもにはにもさやけかりけり 〔巻七・一〇七四〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
で、つきみちらすのも、案山子かゝしぶのも、からかさくるま
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そいつは後で調べる。――もつとも、お七のところにしけ込んだにしても、夜中にそつと拔け出して來るはあるだらう」
「隱しちやためにならないよ。お組を預つたとがは知らなかつた分にしてやるもあるが、それも、お前の出やうひとつだ」
「兩國には相違ねえが、あの小屋からずつと離れた龜澤町の路地に若い男が、殺されて居るが、困つたことには見知りがねえ」
さあ、どんづまりのその女郎が殺されましてからは、怪我にもゆきがございません、これはまた無いはずでございましょう。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あなたがいちばんいいを発見されるだろうということは、わかっていました」と、工場主は言った。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
「なるほど、あいつが深い執心しゅうしんだけあって、お千絵様はまるで初心うぶだ。これじゃ、にのせても一向だま甲斐がいがねえな」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨日きのう……たしか昨日きのうと思うが、を負ってからう一昼夜、こうして二昼夜三昼夜とつ内には死ぬ。
人々は遠距離にありてだにむねを負へるを、君は敵の陣地に入ることなれば、注意して自らまもり給へといふ。
「もう来たのか、昨日着いたんだな」と独り言の様に云いながら、封書の方を取り上げると、これは親爺おやじ手蹟である。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一口にうた手蹟マラというが、公卿どもは、和歌と書道と女色のほか、楽しみがないゆえ、うようよと子供ばかりこしらえおる。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
だって、こう言って来てるぜ、――こいつはいつもの手紙と筆蹟は違っているが、言うことは抜き差しのならねえ話だ。
「なるほど、これはおばばの筆蹟にはちがいないが、そのおばばが、わが身を連れに引っ返さるべく候――と書いているのは、どうした次第か」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「兄さん、この字は、筆の軸の端に糸をつけ、高い所から吊るして書いたものだよ。そうすると、どんな人でもちがった筆跡になる」
紅色ダイヤ (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「隱しちやいけない、お蝶を脅かした手紙は、亂暴な字ではあつたが、間違ひもなく女の筆跡だ、調べて見さへすれば、すぐわかることで」
暖かい風とわからないくらいのかすかな流れとのままに、舟は漂っている。穏やかで、日がり渡り、寂然じゃくねんとしている。
――エマニュエルの灰色の猫は、パリーの空にらされてる息苦しい屋根裏と不具の主人とに、よく調和していた。
甲「ヘエ、誠にはア、魂消まして、どうかまア止めえといったら止めてはなんねえって叱られた、随分道中を大事に」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太「なに用はなえだからみな送りえとおめえまして、名残い惜いがさみい時分だから大事にしてねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と喚きざま、突然足を上げて幸七の顔を〓っと蹴った。おみつがかばおうとする。おみつを打とうと藤吉がを振り上げると、
「江戸へ帰ったら、生不動の縄張を譲って、一方の親分株を持たせるから、一つ俺たちにを貸してくんねえか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「九日。晴。昼九つ時頃讚州多度津湊たどつみなとへ著船。金刀比羅宮ことひらのみや参拝。夜五つ時頃人車に帰船。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
花亭の書牘に、「この北条小学纂註を蔵板に新雕しんてういたし候、所望の人も候はば、何部なりとも可被仰下候、よき本に御座候」と云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
と、畠山五郎は木の根へ駈けた。そしてその敏捷なすがたが、高い枯れ木のッぺんへよじのぼって行くのにひかれて、ついみな顔を空にしていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「中の峠を越えたその先のっ辺で、すばらしい見晴らしのある所でございますよ。旦那様方も、これから甲府の方へおいでになるなら、いやでもそこに足を止めるでしょう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに日子番の邇邇藝の命、天降あもりまさむとする時に、天の八衢やちまたに居て、上は高天の原をらし下は葦原の中つ國を光らす神ここにあり。
ここにその肥長ひなが比賣うれへて、海原をらして船より追ひ
第一その絵巻物を隠している場所が判らないので、今度は手段を変えてT子を福岡へ連れ出しにかかった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もし想ひ出されなかつたとしたら、嘆きは何時終るといふのだ? ゴマカルといふ手段は、私にはない。
我が詩観 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
その広い座敷がただ一枚の絨毯じゅうたんで敷きつめられて、四角よすみだけがわずかばかりはなやかな織物の色とうために、薄暗く光っている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
色の変った畳の色が古い柱とり合って、昔を物語るようにび果てていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「矢張り親分の仰しやつた通り、百兩出せと言つて手紙が來ましたよ、少し手跡が違ふやうでしたが相變らず鼻紙へ書いたまづい字で」
「そのほうは納得がいきましたが、ここに不思議なのは加代姫を誘いだした手紙。これが大師流のいい手跡でとても中間陸尺に書ける字じゃない。この手紙のぬしは誰だろうというんで、藤波は躍気やっきになってそいつを捜してる模様です」
雑誌にかぶせた表紙の上へ、巻紙を添えて出す、かな交りの優しいで、
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「有名な先生だ、歌の、そうそう。くお書きになるぜ。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょうどやまがらすがさとてくると、さとんでいる、たくさんのからすに、たかっていじめられるように、子供こどもには、まちとお人間にんげんおそろしかったのです。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
箆棒べらぼう、そんなことされつかえ、をどりなんざああと幾日いくかだつてあらあ、今夜こんやらつからかねえつたつてえゝから、他人ひとはれつとはあ、れにつてあふり/\たがんだから」勘次かんじは一がいしかりつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
包紙つゝみがみには詩人ので、
「誰のだ?」
自分の示しが足らなかったで手下の奴がとんだ心得違いをしました。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なあにお吉心配する事は無い、十兵衞と御上人様に源太が謝罪わびをしてな、自分の示しが足らなかつたで手下の奴が飛だ心得違ひを仕ました、幾重にも勘弁して下されと三ツ四ツ頭を下げれば済んで仕舞ふ事だは、案じ過しはいらぬもの
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『ム……。こいつあたしかに、坊主の鉄雲てつうんだ。あのにせ和尚も、ずいぶん悪事をかさねたから、もう年貢ねんぐにかかってもいい頃だろう』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、封の上に、藤夜叉のがいかにも幼い。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜなら、元来その病は、上肢にも下肢あしにも、どちらにも片側だけに起るもので、体温は死温に等しくなり、また、脈は血管硬化のために、触れても感じないというほど、微弱になってしまうのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
平次は立上がって、いつの間に用意したか、両掌に塗っておいた鍋墨を、その男の頬から顎にグイグイとなすってやりました。たちまち変る人相――。
娯樂でも何でも心の中掌の上に持つてゐるものは、願くは最高最善のものでありたい。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ナニヨ、百姓め、羚羊がどうしたとオ。情合いの深けえ羚羊たア、一エどんな面をしてるんでえ。でえいち、てめえのようなトンチキにつかまる羚羊なんかこのへんに一匹でもいたらお目にぶらさがるってんだ。三百法ちょうだい。……ケッおかしくって鼻水が出らア。
「新九郎様ッ、悪人のにおかかり遊ばすな!」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
檣樓しやうらうより、戰鬪樓せんとうらうより、双手げ、はたり、歡呼くわんこをあげて、いさみ、よろこび、をとり
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