夜の若葉よるのわかば
桃子の座席から二列ばかり先が、ちょうどその二階座席へ通じる入り口の階段になっていた。もう開演時間の迫っている今は、後から後から込んでいかにも音楽会らしい色彩の溢れたおとなしい活気の漲った混雑がそのあたりに渦巻いている。プログラムと書類入れの …