“臥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.5%
36.0%
ふせ9.6%
こや2.6%
ふし2.2%
やす1.6%
1.2%
0.6%
0.6%
0.4%
ぐわ0.4%
たふ0.4%
ねか0.4%
ふさ0.4%
0.4%
ぶし0.2%
コヤ0.2%
おひ0.2%
たお0.2%
0.2%
ねこ0.2%
ねそ0.2%
ねた0.2%
のさ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は何かに酔ひしれた男のやうに、衣紋えもんもしだらなく、ひよろ/\とよろけながら寝室に帰つて、疲れ果てて自分の寝床にし倒れた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
十三になる子守り娘のワーリカが、赤んぼのている揺りかごを揺すぶりながら、やっと聞こえるほどの声で、つぶやいている。——
ねむい (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
三日風邪でふせった。洗礼をうけてからは、お松は、自分は、神の子である、と堅く信じるようになった。重い使命を肩の上に感じた。
反逆 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
さらば友の初の一書は我手に入るに及ばずして失はれしなるべし。ヱネチアには何の變りたる事もあらねど、マリアは病にこやしたり。
去年こぞの夏凡兆が宅にふしたるに、二畳の蚊屋に四国の人ふしたり。おもふことよつにして夢も又四くさと書捨たる事どもなど云出いいいだして笑ひぬ」
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
旦那様はもうおやすみでしたが、私は自分の部屋へ退さがろうとしていると、叫び声がしました。ハイ、たしかに叫び声です。
見開いた眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
酔うて沙上にするというのは道庵に於て、今に始まったことではない。医者の不養生をたしなめるのは、たしなめる者の愚である。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
都から来た人たちの中、何時イツまでこの山陰に、春を起きすことか、とびる者が殖えて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
たどり行きやせる時に、盜人に在りける父や、黄金にも玉にもまして、惜みける己が眞名子を、かゝらむと思ひもかけねば、叫びをらび心も空に、負征矢の碎るまでに、櫨弓の弦たつまでに
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「はい。西宮さんはちッともおらないで、こなたの……」と、言い過ぎようとして気がついたらしく、お梅は言葉を切ッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
墓碑には詩人の半身像を、墓の上には詩人の臨終のぐわ像を刻し、ぐわ像の台石に小さく詩人の名と生歿の年月としつきとを記しただけで、外には何も書いて無い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
横にたふれた時、白い職服きものの下から赤いものが喰み出して、其の下から圓く肥つた眞白いはぎの出たのが眼に浮んだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
雪 兄さんつ! (駆け寄つて行きさうにするが幼児に気附いて、墓地の草の上にそれをソツとねかせて置いてから、留吉の方へ走つて、いきなり兄の手に武者ぶりつく)
地熱 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
その火鉢へ、二人が炬火たいまつをさし込みましたわ。一ふさりふさって、柱のように根を持って、かっと燃えます。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二条の院へ帰っても西の対へは行かずに、自身の居間のほうに一人しをしたが眠りうるわけもない。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
あねいもと數多かずおほ同胞はらからをこしてかたぬひげのをさなだちより、いで若紫わかむらさきゆくすゑはとするこヽろ人々ひと/″\おほかりしが、むなしく二八のはるもすぎて今歳ことし廿はたちのいたづらぶし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
又此塩の盈ちるがごと、盈ち乾よ。又此石の沈むがごと、沈みコヤせ。かく咀いてカマドの上に置かしめき。是を以て、其兄八年の間、カワき萎み、病みコヤしき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
仕損しそんじなば御二人の御命にもかゝはるならんとおひつ氣をもむをりしもゴウゴウと耳元近く聞ゆるは東叡山とうえいざん寅刻なゝつかねコリヤ斯うして居られぬと物にすがりて立上り蹌踉ひよろめくあし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お母——病気で——死にそうになって——道でたおれていやしゃ——る。」
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母は二三日前まで床にいていたが、この日は朝のうちは天気がよかったので、買物をするため、豆を少しばかりしょって町へ行った。町へ行く時
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わずかばかりの金をわけてもらって、その日その日を何もせずに暮しているのであった。昼でも彼はねころんでいる。いつ行って見ても彼はごろりと臥ろんで何かむしゃむしゃと食べていた。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
眞黒まつくろつや洋犬かめが一ぴきあごけてねそべつて、みゝれたまゝまたをすらうごかさず、廣庭ひろには仲間なかまくははつてた。そして母屋おもや入口いりくち軒陰のきかげからつばめたりはひつたりしてる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
床を出て自由に歩き廻る訳には行かないが、さりとてねたきりに寝台に縛られていると何か落付かない焦燥が、衰弱しない脊髄の辺からじりじりと滲み出して来るような状態にあった。
或る日 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
自分は両国の橋の上に御大名が御一人のさって御座ったてふ古い古い大津絵節おおつえぶしに、着たる着物は米沢でとある上杉家中に生まれた者で出羽の事をよく知るが、かの地にトウシ蛇という