こや)” の例文
さらば友の初の一書は我手に入るに及ばずして失はれしなるべし。ヱネチアには何の變りたる事もあらねど、マリアは病にこやしたり。
しな照る 片岡山かたをかやまに いひて こやせる 旅人たびとあはれ 親無おやなしに なれりけめや 剌竹さすたけの きみはやき いひて こやせる 旅人たびとあはれ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「しなてる片岡山に、いいこやせる、その旅人たびとあはれ。親なしになれなりけめや、さすたけの君はやなき、飯に飢て臥せる、その旅人あはれ」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「そこでさえ逢わなかったら、生涯、相引かず、思いこやることもない二人だったのに」と松月尼が書いている。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
聖徳太子の歌に、「家にあらば妹が手かむ草枕旅にこやせるこの旅人たびとあはれ」(巻三・四一五)があった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
またの名は炫毘古かがびこの神といひ、またの名は迦具土かぐつちの神といふ。この子を生みたまひしによりて、御陰みほとやかえてこやせり。たぐり一〇りませる神の名は金山毘古かなやまびこの神。次に金山毘賣かなやまびめの神。
不二見ると君がこやれる有渡の山げにげに高う不二は冴えたり 樗牛
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おん惠み、深き日影にこやしけめ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
私は直ちに拿破里をさして旅立候ひしに、君も知らせ給ひし友なるおうなの俄に病みこやしゝ爲め、モラ、ヂ、ガエタに留まること一月ばかりに候ひき。
上宮太子じょうぐうたいしの「家ならば妹が手まかむ、草枕旅にこやせる、この旅人たびとあはれ」という歌も、『紀』に録するところの
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
家に在らば いもかむ 草枕くさまくら 旅にこやせる 旅人たびとあはれ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
病みこやす人が眼うつすの庭に零余子むかごそよぎてげに外目ほかめなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はやりかぜ一年ひととせおそれ過ぎ来しが吾はこやりてうつつともなし
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
炭と灰とはあたりに散りぼひたり。奧に孔ありて小き間につゞきたるが、そのさま芋塊に小芋の附きたる如し。その中には女子一人こやして、二三人の小兒はそのめぐりによこたはれり。
ひもじくてこやり暑けき夕凪はとうすみのの来るもうれしき
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こやりゐてつくづく久し萩の葉の露の一つに我目とめをる
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
二階にこやりて久し向日葵の今は垂れたるうてなのみ見ゆ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きほひ無し、こやたわむと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きほひ無し、こやたわむと
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)