“一年”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひととせ54.1%
いちねん19.7%
ひとゝせ16.4%
あるとし8.2%
ヒトトセ1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
養和やうわの秋、富士河の水禽みづとりも、まだ一年ひととせぬ夢なれば、一門の公卿こうけい殿上人てんじやうびとは言はずもあれ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
七日ほど前、都へ着いて、彼は今年も、そこへ落着いていた。——が、まだ潮音と一年ひととせぶりの想いを果しただけで、世間へはどこへも顔出ししていない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて治子は都に近きその故郷ふるさとに送り返され、青年わかものは自ら望みて伯父おじなる人の別荘に独居し、悲しき苦しき一年ひととせを過ぐしたり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
我若しヴィルジリオとを同じうするをえたらんには、わが流罪るざいとき滿つること一年ひととせおくるゝともいとはざらんに。 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
……中に人の数をはさんだばかり、つい同じ車に居るものを、一年ひととせ、半年、立続けに、こんがらかった苦労でもした中のように種々いろいろな事を思う。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さうか、それでは今年ことしはじめてだのむかしからも一年いちねんはかりごと元旦ぐわんたんにありといふから、おまへさんも
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
農夫のうふ如何いかうゑても、一合いちごうむぎはずにいて一年いちねんはかりごとをする
一年いちねんぜん其志そのこゝろざしいだいたわたしだ小説のふでつて見なかつたのであるが、おそかな
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これが毎年まいねんくりかへされると、その一年いちねんごとに生長せいちようした部分ぶぶんだけが、まるになつて區分くわけがつくのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
えゝ、お姫様ひいさまの! うやらいままでの乞目こひめでは、一度いちど一年いちねんかゝりさうぢや。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一年ひとゝせ四月のなかば雪のきえたるころ清水村の農夫のうふら二十人あまりあつまり、くまからんとて此山にのぼり
一年ひとゝせ、御城内の武道試合に十人を抜きて、君侯の御佩刀みはかせ直江志津なほえしづの大小を拝領し、鬼三郎の名いよ/\藩内に振ひ輝きぬ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
の庭に盛上げた籾の小山は、実に一年ひとゝせの労働の報酬むくいなので、今その大部分を割いて高い地代を払はうとするのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
われ等は未來一年ひとゝせの間のおん身の振舞を見て、過去の我等の待遇のおん身に利ありしか利あらざりしかをためすべしといはれぬ。
一年ひとゝせあまりガエタ(こはエーネアがこの名を與へざりしさきの事なり)に近く我をかくせしチルチェと別れ去れる時 —九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
——一年あるとし先生せんせい名古屋なごやあそんで、夫人ふじんとは、この杉野氏すぎのしつうじて、あひんなすつたので。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一年あるとし、激しい旱魃のあつた眞夏、女優村井紫玉を主とした新劇團が、北陸の都で興行して、人氣を博した時の事である。
一年あるとし家の新ちゃんが葡萄をちぎるとたなから落ち、大分の怪我をした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一年あるとし巡廻じゆんくわいしたことります。わたくし七才なゝつときです。ころは、いま温泉をんせんかつたやうですね。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一年あるとし夏のなかば驟雨後ゆふだちあとの月影さやかにてらして、北向きたむきの庭なる竹藪に名残なごりしづく白玉しらたまのそよ吹く風にこぼるゝ風情ふぜい、またあるまじきながめなりければ、旗野は村に酌を取らして、夜更よふくるを覚えざりき。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
——飢エタオルル共、二君ヲ求ムル心無ク、夫婦シテ流転年久シク、イヤシキワザシテ歩クウチ、一年ヒトトセ中国ノ一寺ニ、一女ヲ捨テ、伝来ノ天音一管ヲ襁褓ムツキニ添エテ、慈悲ノ御廂ミヒサシニ、子ノ末ヲ祈願シ奉リテ又他国ニ漂泊サスラウ。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)