“嬉涙”の読み方と例文
読み方割合
うれしなみだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
兼太郎は嬉涙うれしなみだに目をぱちぱちさせていたがお照は始終頓着とんちゃくなくあたりを見廻すとこに二合びんが置いてあるのを見ると自分の言った事が当っているので急に笑いながら
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
慄声ふるえごえで申しましたが、嬉涙うれしなみだに声ふさがあとは物をも云われず、さめ/″\とし襦袢じゅばんの袖で涙を拭いて居ります。想えば思わるゝで、重二郎も心嬉しく、せわ/\しながら。